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【特集】“酒かす”が出来過ぎてピンチ!? 「もったいないから もらって」 SNSなどで大きな反響  なぜ大量の酒かすが余るのか《新潟》

2024年3月24日 17:15
【特集】“酒かす”が出来過ぎてピンチ!? 「もったいないから もらって」 SNSなどで大きな反響  なぜ大量の酒かすが余るのか《新潟》

酒造りの工程で出る酒かすが、ことしは出来過ぎて困っているといいます。

中には無料で配っている酒蔵も。
いま、SNSなどで大きな反響を呼んでいます。

■余っている酒かすは1トン以上

新潟市西蒲区にある宝山酒造を訪ねました。酒蔵の奥も見せてもらうと…

〈宝山酒造 杜氏 渡辺桂太さん〉
「これが今出てる酒かすですね。感覚的に2倍まではいかないけど1.5倍くらいは出てる気がします」

そこにあったのは1トン余りの酒かすです。

〈宝山酒造 杜氏 渡辺桂太さん〉
「色が悪いんですが、カビではなくて麹が出す色素が出てきている。身体には悪くなくて食べられるんですけど、見た目が良くないので売りづらいものではある」

■去年の猛暑の影響も

蒸したコメを発酵させ、絞ると酒になりますが、絞る際に残る固形物が「酒かす」です。

ことしは、なぜ多くできたのでしょうか?

〈宝山酒造 杜氏 渡辺桂太さん〉
「夏がかなり暑かった。おコメにも高温障害が出て。お酒を造る醪(もろみ)の状態で、おコメの溶け具合がかなり悪くなってるみたいですね。そうすると固形物から液体にならない分、固形物が残って酒かすが多く出てるのが現状だと思います」

例年は6トンから7トンの酒かすが出て、そのほとんどを漬物業者が引き取ります。

しかし、ことしは漬物業者の倉庫も酒かすであふれ、2トンほどしか引き取ってもらえませんでした。
このままだと廃棄せざるを得ないといいます。

〈宝山酒造 杜氏 渡辺桂太さん〉
「これは産業廃棄物になるのかな。なので、引き取ってもらうにもお金がかかってくる。小分けにする手間はかかりますけど、(廃棄に)お金がかかるよりは皆さんにもらっていただいた方が、折角作っておいしいものでもあるので、そっちの方が我々としてはありがたいです」

■酒かすは「料理にも使いやすい」

酒かすのレシピ本を出している料理研究家の中島有香さんにも話を聞くと・・・。

〈料理研究家 中島有香さん〉
「もったいないですね。酒かす、すごくたくさん使い方があって、洋でも和でもお料理に使えるので、使いやすいものなんですけどね」

■「酒かすで味がまろやかに」

その酒かすレシピ。
「かす汁」のほか、グラタンのホワイトソースのベースにも。さらに、カレーに入れるとコクを出すことができるといいます。

〈料理研究家 中島有香さん〉
「割となんでも使うんですけど、一番よく使うのはおみそ汁で。ひとかけ入れるだけですごくおみそ汁がまろやかになるし味が出るんですよね」

キャラメルのように小分けにして冷凍すれば1年中使えるといいます。

〈料理研究家 中島有香さん〉
「新潟のお酒自体がおいしいので、そのお酒を使った副産物だから絶対おいしいんですよ」

■余った酒かすを無料配布

宝山酒造は酒かすをインターネットで販売しているほか、店頭では無料で配布しています。

〈酒かすをもらった人〉
「紅鮭とかす煮にして食べるのが一番おいしい」
「味が変わりそうな頃に、たくあんを酒かすと酒と砂糖を入れて溶いて、その中に漬けるととってもいい味」

〈宝山酒造 杜氏 渡辺桂太さん〉
「いろいろ試していただいて、楽しんでいただければなと思います」

宝山酒造は4月末までにさらに1.5トンほどの酒かすが出ると見込んでいて、店頭での無料配布を続けていきたいとしています。

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