ドキュメント「佐渡島の金山」世界遺産登録“決定”の1日 県内初 悲願の登録に島内外で笑顔と涙 《新潟》
佐渡の方だけではなく、多くの県民にとっても悲願だった世界遺産登録。登録が決まった7月27日、当日の動きをまとめました。
新潟県で初めての世界遺産登録が決まった「佐渡島の金山」。
『相川鶴子金銀山』と『西三川砂金山』のふたつの資産で構成され、政府は「17世紀における世界最大の金の生産地」としてユネスコに推薦書を提出していました。
新たな世界遺産を決めるユネスコ=国連教育科学文化機関の世界遺産委員会の会議がインドの首都ニューデリーで行われた7月27日。
(画像提供:新潟県)
佐渡市の相川地区では朝から伝統の「鉱山祭」が始まりました。
金山労働者の慰労や佐渡金山の繁栄を願う祭りですが奇しくも世界遺産登録が決まる日の開催となりました。
地元の小学生が披露したのは江戸から続く伝統で硬い岩盤を神の力で柔らかくするための神事「やわらぎ」です。
多くの観光客で賑わいまるで、このあとの世界遺産登録決定を前祝いするかのように…
ユネスコの世界遺産委員会の審議は日本時間の27日午後1時半すぎから…
(リポート)
「こちらの佐渡会場では地元の人たちが次々と駆け付け運命の瞬間を見届けようと固唾をのんで待っています」
首には会場で配られた佐渡タオルに手には金色のバルーン。
〈佐渡市民〉
「きょうお受験で合格するかどうかという話。こわいです。これで続くと疲れるので、なってください。お願いします」
200人が集まったパブリックビューイング会場。
新潟市にも会場が設けられました。
〈五泉市から〉
「いてもたってもいられなくてきょうはぜひみんなと一緒に世界遺産登録になった時の喜びを感じたいと来ました」
さらに佐渡市役所や東京にも特設会場が設けられ注目の高さがうかがえます。
多くの人が見守る中始まった審議。
インド・ニューデリーの会場には花角知事や佐渡市の渡辺竜五市長などの姿も。
審議はイコモスによる説明や委員国の意見交換など約20分に渡り、ついに、その瞬間が…
議長)「adopted」
委員国の全会一致で世界遺産登録が決まりました。
「世界遺産登録バンザイ!」
それぞれの会場も喜びに沸きました。
〈佐渡を世界遺産にする会 中野洸会長〉
「これだけ貴重な文化の遺産をいままでは私たち佐渡の地域の宝だったのが世界の宝として認知されたわけですから」
〈佐渡市民〉
「一安心ですね。とりあえず大学合格みたいな」
〈特設会場に来た人〉
「もううれしくて声が出ません」
「すごくうれしかったです」
「金を発掘できると言っていたから行って見たくなりました」
「小学生くらいの時にはまだ佐渡金山は採掘やっていたので、光る物があると拾ったりして大切に宝物にしてました。後で親に光ってる物は金じゃないんだよ。黒い石こそが金なんだよと聞かされてがっかりした記憶がありますね」
佐渡と本州をつなぐこちらでも…
(リポート)
「こちら佐渡汽船新潟港ターミナルでも号外が配られています。集まった観光客からも喜びの声が聞かれます」
〈佐渡へ帰省〉
「わあ!登録すごーい」
「うれしいです。頑張って盛り上げてほしいです」
「佐渡おめでとー」
〈埼玉と大阪から〉
「さっき知りました」
「ニュースで見て、あした行こうって」
「優先的に行こうかって決めて」
「世界遺産になったし」
こんな人も…
Qこれから佐渡に行くわけでは
〈新潟市民〉
「ないんです。佐渡に一番近い所にきょうは来たいと思って。来月行こうと思います。世界遺産ということを…思い、噛みしめながら回ってみたい」
佐渡から帰ってきた人は…
〈大阪府民〉
「船長さんがアナウンスしてくださって、一部で拍手起こった」
「最近YouTubeで佐渡島系YouTuberの人が(紹介してて)行きたいってなって」
「この後きっと観光客も溢れる時だったので、(今行けて)すごくよかったなと思います」
横断幕も張られ、乗客を迎えていました。
鉱山祭が続く地元・相川では…
〈参加者〉
「鉱山祭(開催中)に世界遺産になったということで、みんながガッツと思ってやっております!」
「鉱山祭りとちょうど合いましていい気分です」
夏の暑さにも負けない熱気で民謡流しにも力が入ります。
世界に認められた地元の宝…価値の高さが証明された私たちの宝…
これからもみんなで守っていくと誓った1日になりました。