【交通・乗り物NEWS】新潟市のバイパスで続く大規模工事 道路はどう変わる?「万代島ルート線」《新潟》
新潟市の中心部へつながる立体道路の整備事業「万代島ルート線」。30年以上前から進められてきた計画。一体、道路はどのように変わるのでしょうか。
帰宅ラッシュの時間帯、ずらっと連なる車の列。
ここは新潟市の中心部へとつながる「栗ノ木バイパス」。新潟バイパスと亀田バイパスの乗降口の近くです。
長い渋滞にため息をつくドライバーの横でこの日も進む工事。
実は30年以上前から続く巨大な事業です。
新潟国道事務所 岡田英治 計画課長
「この上に車が通るための橋げた(道路)をかけます。こちらは地震でも倒れないようにする杭の基礎です」
立ち並ぶのは上を通る道路を支えるための「橋脚」。
道路を上下に立体化することで渋滞を緩和する狙いがあります。
新潟国道事務所 岡田英治 計画課長
「朝、夕の通勤時間帯を中心にかなり渋滞が起きていたり、渋滞に起因する事故が起きている。交差点の上をまたぐ立体道路を作ることで渋滞の緩和が図る。万代島ルート線という都市計画道路となっています」
「万代島ルート線」。
長さ5.6キロに及び、新潟、亀田バイパスから栗ノ木バイパス、そして信濃川を越えて古町エリアまでをつなぎます。
計画が立ち上がったのは1992年。事業費は栗ノ木バイパスの区間だけで約800億円です。
特に通勤時間帯に混雑が目立つ栗ノ木バイパス。2017年から2020年までに12件の人身事故が発生。死亡事故も起きています。新潟国道事務所の管内では最も事故が多いエリアです。
渋滞を避けるため、他の道路に流れた車の事故も多発。さらに、救急車両が進めないほど混雑することもあるといいます。
出水期には大雨の影響も。
おととし夏の豪雨では栗ノ木バイパスも冠水し、通行止めとなりました。
新潟国道事務所 岡田英治 計画課長
「万代島ルート線の整備によってJRの立体化事業とあわせて道路の位置を上げるので大雨の冠水リスクも大幅に低下します」
渋滞の緩和。そして、大雨対策。
高架化した道路は将来的に新潟市の古町エリア「柳都大橋」にも接続し、生活道路として利便性を上げたいといいます。
新潟国道事務所 岡田英治 計画課長
「中心市街地を目指される方は一度も信号にひっかかることなく信号を通過することなくずっと高架橋で中心部にアクセスできる」
高架化した道路を支える「橋脚」は全部で84基。これまでに16基が完成し、今年度は32基の工事。さらに「橋脚」の上の道路に関係する工事が始まります。しかし、完成時期はまだ未定ということです。
新潟国道事務所 岡田英治 計画課長
「少しでも早く高架道路をご利用いただけるように、早期に効果を発現できるように、引き続き一生懸命事業を進めたい」
30年以上前から進められてきた計画。渋滞の緩和やアクセス改善のため、「万代島ルート線」の完成に期待です。
2024年5月10日「夕方ワイド新潟一番」放送より