寒ブリはどこへ “大漁まつり”開催も提供されたのは…? 《新潟》
この時期、旬を迎えるのが脂がのった「寒ブリ」。しかし、北陸で豊漁となる中、佐渡市では不漁が続いていて漁業関係者が大漁を祈願しています。そうしたなか、12月8日、寒ブリまつりが開かれました。そこで提供された魚はいったい…
12月8日、佐渡市の北端、鷲崎漁港で開かれた「寒ぶり大漁まつり」
そこで売られていたのは、「寒ブリ」! …ではなく佐渡産のマグロ。
人気の寒ブリレースに出場したのはブリより小型のワラサ。
実はことし、佐渡では寒ブリの不漁が続いています。
そのため、この日、切り身として売られていた寒ブリは他県の港で水揚げされたもの。
60本をわざわざ「寒ブリまつり」のため調達してきたといいます。
沖汁と刺身のセットもワラサに変更になりましたが訪れた人は佐渡の味を楽しんでいました。
〈訪れた人〉
「きょうは東京から。ブリは今後に期待しつつマグロもすごくおいしいので佐渡のお刺身最高だなという」
佐渡の「寒ブリ」は需要が高まる年末年始は高値で取り引きされます。
多くの人が待っている…8日は漁業関係者が集まり大漁を祈願しました。
〈内海府漁業生産組合 本間信俊 組合長〉
「ブリがいないのではなく佐渡には寄りませんけど富山、石川、福井、京都と回遊していますのである意味巡り合わせの部分もあるのかなと。ただ待つのみです」
佐渡に寄らなかった寒ブリはどこに?向かったのはお隣、富山県の氷見市です。寒ブリの大漁に沸いていました。
「ひみ寒ぶり」
11月には12年ぶりに1日3000本を超える水揚げを記録しました。
回遊魚のブリは冬になると冷たい海水を避けて北から南下します。
この時、東北の沖合の海水温が下がると佐渡市の近くを通り、両津湾で豊漁に。
逆に東北沖が暖かく能登半島沖が冷たいと富山湾が豊漁になる傾向にあります。
氷見市のまちの盛り上げにも貢献するブリ…
さらに能登半島地震の爪痕が残る市内ではブリの豊漁が復興の後押しになればと期待しているということです。
一方、不漁が続いている佐渡市。
9日、両津港を訪れてみると船から引き揚げられたのは大型の寒ブリ。
大漁祈願が届いたのか8キロから14キロの寒ブリ、59本が水揚げされました。
〈内海府漁業生産組合 本間信俊 組合長〉
「ことしは他で入っているんですが佐渡はどうなったのかなと本当に心配はしていたんですがきのうの“寒ブリまつり”に願いを込めて来ていただいたと。率直にうれしいです」
全国的にも人気が高まっている佐渡の寒ブリ。
地域を盛り上げるためにも今後も水揚げが続くことが期待されます。