×

「反省の態度示さず」大分強盗殺人 大分地裁では44年ぶりの死刑判決 傍聴券の抽選には300人以上が

2024年7月2日 19:57
「反省の態度示さず」大分強盗殺人 大分地裁では44年ぶりの死刑判決 傍聴券の抽選には300人以上が

2020年、宇佐市で住人の親子2人が殺害された強盗殺人事件。

2日判決公判が開かれ、大分地裁は被告の男に対し、死刑を言い渡しました。

大分地裁で死刑判決が言い渡されるのは1980年以来44年ぶりです。

◆TOS山路謙成記者
「宇佐市で起きた強盗殺人事件は検察側が死刑を求刑し、弁護側が無罪を主張しています。司法の判断を見届けようと、傍聴券を求める長い列ができています」

7月2日午後2時すぎの大分地裁です。傍聴券の抽選が行われ、64席に対し、325人が並びました。

判決が注目された今回の裁判、事件の発生は今から4年前の2020年です。

◆TOS牧野夏佳記者
「殺人事件となってから一夜が明けました。 現場ではきょうも朝から警察が捜査を進めています」

2020年2月、宇佐市安心院町の住宅で住人の山名高子さん79歳と長男の博之さん51歳が殺害されているのが見つかりました。
事件が動いたのはおよそ1年8か月後。警察が逮捕したのが佐藤翔一被告でした。

佐藤被告はその後、強盗殺人の罪などで起訴されました。

異例の長さとなる2年以上の公判前整理手続きを経て、2024年5月から大分地裁で裁判員裁判が始まりました。

「すべて僕はやっていません。僕は犯人ではありません」

初公判で佐藤被告は起訴内容を全面的に否認し、弁護人も無罪を訴え、検察側と主張が真っ向から対立しました。

6月17日、検察側は死刑を求刑し、裁判は結審。

死刑の求刑は大分地裁の裁判員裁判としては初めてでした。

そして、2日に判決公判が開かれました。

◆TOS渡辺一平記者
「主文後回し、主文を後回しとなりました」

辛島靖崇裁判長は冒頭、結論にあたる主文を後回しにして、判決理由の読み上げから始めました。

この中では「被告が犯人であると優に認められる」「不合理な弁解を続け、反省の態度を示していない」などと指摘。

そして「主文。被告人を死刑に処する」と検察の求刑通り、佐藤被告に対し、死刑を言い渡しました。

大分地裁での死刑判決は1980年以来44年ぶりで2009年から始まった裁判員裁判では初めてです。


この判決に被害者の遺族は、率直な思いを語りました。
◆遺族
「死刑になってもらいたい」

また、複雑な心境も。

◆遺族
「どういうわけで妹を殺さなければならなかったのか、何で本人が犯人を教えてくれないのか。なぜ殺したのかそれを知りたい」


一方、この判決について、無罪を主張してきた弁護側は判決直後の取材に対し、控訴する方針を示しました。

◆弁護側・田中良太弁護士
「きょうの判決については、想定していた中でも最悪の判決だと理解している。我々は本日控訴をする予定にしている」

その上で、「控訴審では逆転無罪を勝ち取るため、活動をしていきたい」と話していました。

    テレビ大分