死刑を言い渡されても微動だにせず　傍聴した記者が見た被告の姿　　涙ぐむ遺族も　大分強盗殺人事件

2020年に大分県宇佐市で起きた強盗殺人事件の裁判員裁判で、大分地裁は2日、無罪を主張していた被告の男に対し、死刑を言い渡しました。

この事件は2020年2月、大分県宇佐市安心院町の住宅で住人の女性（農業・79）と長男（郵便配達員・51）が遺体で見つかったものです。

大分地裁は「自分は巻き込まれた」などと無罪を主張していた大分市の会社員・佐藤翔一被告（39）に対して、検察の求刑通り死刑を言い渡しました。

判決公判が行われた大分地裁から、裁判を傍聴したTOS児玉直輝記者のリポートです。

佐藤被告はこれまでと同じく黒いスーツ姿に白いマスクを着けて法廷に姿を見せました。

今回は判決の主文が後回しとなり、30分以上理由が説明された後に、死刑判決が言い渡されました。

その瞬間も佐藤被告は微動だにすることなくじっと前を見つめていました。

閉廷後はゆっくりと立ち上がり、裁判長に向かって軽く頭を下げて法廷を後にしました。

初公判から振り返ると、佐藤被告は終始落ち着いた様子で裁判に臨んでいたと感じました。

被告人質問の際には「遺族が本当の犯人を目の当たりにできていないことは不幸で残酷」と発言するなど徹底して無罪を主張し続けました。

一方、２日の法廷では、被害者遺族の中には死刑判決が言い渡された時涙ぐんでいる人もいて、深い悲しみとやるせない怒りを感じました。