【特集】松本パルコ最後の日に密着 「流行の発信地」そして「松本のシンボル」それぞれの思い出胸に… 鳴りやまないパルココール 40年の歴史に幕

2月28日、惜しまれつつ閉店した松本市の松本パルコ。
最後の瞬間を見届けようと集まったのは、実に1500人!それぞれの思いを胸に40年の歴史に幕を下ろしました。
店長「40年間、本当にありがとうございました」
全員「ありがとう松本パルコ~!!」
安曇野市から(40代)
「やっぱり涙出て来ちゃうから…寂しい」
1984年、昭和59年、松本市の中心部に誕生した松本パルコ。
若者向けのファッションや雑貨などの「流行の発信地」、そして「松本のシンボル」として40年間、愛されてきました。
営業最終日となった2月28日。
多くの人が名残りを惜しむようにカメラを向けていました。
松本市民・50代
「きょうは最後なので写真撮っておこうかなと思いまして」
店内には思い出をかみしめるように最後の買い物を楽しむ人たち。
安曇野市から・50代
「よく来てた古着屋さんで(買い物をした)。ここにしかない楽しさとかワクワク感とか、そういうのがあった」
安曇野市から・10歳
「すごくいいところなのになんで閉まっちゃうんだろう…。まだまだ買います!」
パルコ1階、旬のイチゴを使ったケーキが並ぶ「5HORN」。
パルコのオープンと同時に店を構え共に、その歴史を歩んできました。
5HORN Dining谷口充店長
「本当にこれで終わっちゃうんだなという実感が湧いてきました」
店長の谷口充さん。25年前、入社して初めて配属されたのがこの店舗でした。
谷口充店長
「前職は営業やっていましたので、1からパスタを運ぶこととか、サービスすることを学ばせてもらったのがこの店だったので本当に私にとっての接客の基本の店」
その後は系列のホテルに異動しましたが、2年前、店長として再びパルコの店に。
谷口充店長
「本当にみなさんのおかげでファイブホルンがこの地で営業できたと思っております」
最終日…、訪れた人は昔を懐かしみながら午後のひと時を過ごしていました。
松本市・70代
「初期からパルコの中のテナントで仕事をしていた。ずっと10年ぐらい(働いて)いたので、懐かしくて来ました。楽しかったですよ当時は。非常に物が売れる時代で良かった」
Q.当時からファイブホルンにも?
「もちろんです!」
こちらの男性もパルコに特別な思いを抱く1人です。
太田亘さん
「2人で来たことなかったので、最後に来て見ようかなと思って」
パルコの古着店で18歳から22年間働いた、太田亘さん。この日は、午前中で最後の仕事を切り上げ、夫婦で立ち寄りました。
太田亘さん
「嫁と出会ったのもここ(松本パルコ)なので、繋がりの場所だなという感じがします」
かつて、パルコの別のテナントで働いていた妻と出会ったのも、この場所でした。
太田さんの妻
「2人でゆっくりパルコを回るというのは、思い出の再確認じゃないですけど素敵な気持ちと寂しい気持ち色んな気持ちが混ざって複雑な感情です」
蜜澤英明さん
「最後盛り上がってきているんで。パルコも喜んでいるのかな」
パルコ4階のテナントで店長を務める、蜜澤英明さん58歳。20歳から38年間松本パルコで働いてきました。高校生の時にオープンしたパルコをきっかけに洋服が好きになり、この業界一筋で働いてきました。
蝶ネクタイにリボンのついた靴、華やかな装いと共に最後の日をかみしめます。
店には昔を知る人たちが集まり、さながら同窓会状態に…。
当時パルコで働いていた人
「一番長くいてくださった方なので、私が入った時もいて、ちょっと後か。昨日今日はこの中に色んなスタッフもいますんでちょっと会いに来たという感じです。」
常連客たちも最後の買い物に訪れます。
常連客
「大事な思い出の一つとして記念に。忘れないための買い物しました。
【閉店まであと1時間・・・】
蜜澤さん
「まだ実感がわかなくて、お客さんがこれだけいるので」
安曇野市から訪れた寺沢功希さん。長年、蜜澤さんのお店に通う1人です。
蜜澤さん「本当に覚えていていただいて」
寺沢さん「僕も本当にうれしくて」
蜜澤さん「すぐわかりました」
寺沢功希さん
「久しぶりにお店に伺ったら覚えてくださってて私もここでスーツ作らせていただいてじゃあ息子も成人式なので蜜澤さんにお願いしようということでうかがいました」
成人式には、親子で蜜澤さんが見立てたスーツを着て出席。思い出のひとつに刻まれました。
一方、閉店が結んだ縁も…。
こちらの女性はテレビで蜜澤さんを知り、高校生の息子の卒業式用のスーツを購入。最終日にもお礼にと足を運んでいました。
密澤さんのスーツで晴れの日を迎えました。
沓掛朔也さん
「蜜澤さんが選んでくれたスーツを着て僕もステージ上にたち最高の思い出をつくることができました、ありがとうございます」
そして、迎えた閉店の夜8時。
蜜澤さん
「ちょっとまだ信じられない感じですね」いつもとなにも変わっていない感じがします。すごい色んな方と久しぶりに会えて楽しく過ごせましたね。自分の人生を高速で振り返ったような一日でしたね」
最後の瞬間を見届けようと、集まった人はおよそ1500人。
蜜澤さん「おわっちゃいましたね…」
松本市出身の写真家白鳥真太郎さんがその、にぎやかな最後の姿を写真に収めました。
「ありがとう!松本パルコ~!」
松本パルコ・斉藤博一店長
「パルコにとって特に松本は地域の方々やお客様との絆が強く、これほど深く愛していただいたパルコは無いと感じています。40年間、本当にありがとうございました」
1984年のオープンから40年余り
最先端のファッションやカルチャーを発信
”松本のシンボル”として愛され―――
人々の”青春”に刻まれた思い出
池田町・30代
「松本と言えばパルコ」
安曇野市・60代
「松本にできたことが長野県民としては自慢でした」
鳴りやまないパルココール「パルコ!」「パルコ!」
松本パルコ40年の歴史に幕