密着! 値上げの波に負けない激安スーパー 明治元年 1868年創業 150年以上の歴史を「家族」で守る「毎日お買い得」安さの秘密は…
スーパーでの買い物、まだまだ野菜も高騰しています。
そんな中、値上げの波にも負けない激安スーパーがあります。
地域に愛される、東御市の老舗スーパーに密着です。
木下キャスター
「高値が続くキャベツは1玉も税 込み322円」
「いわしは一尾70円ですよ!」
「こちらの人参、1.5キロほどで300円です。100グラムあたり20円ですよ!」
店内に踊る「半額」の文字!
店員
「総菜は今日2割引きになりま~す」
浅間山を望む東御市。細い路地を少し入った先に。「別府安楽屋」があります。
明治元年、1868年創業の老舗スーパーです。
7代目の阿部卓朗さん72歳。150年以上の歴史を家族で守り続けています。
卓朗さんは鮮魚担当。、
「いわしの天ぷらにします。(どのくらい捌くの?)これは50匹くらいかな。」
総菜担当は妻の美奈子さんです。
7代目 阿部卓朗さん
「総菜のお買い得品ありますか」
妻・美奈子さん
「特にない。毎日がお買い得だから」
総菜の一部は、美奈子さんの手作り。
美奈子さん
「とにかくできるだけ手作りのものを多く、皆さん健康でいられるように体にいいもの作っていきたいなと思っています」
青果担当は、10年ほど前に阿部家に嫁いできた、登詩子さん。
「しいたけも99円で」
自ら市場で仕入れ、値段を決めています。
登詩子さん
「値段は買ってきた値段もあるけどお客さんが買いやすい値段。自分がこの値段だったら買うとかそういう感じで」
この日のニンジンは100グラム20円。
登詩子さん
「小ぶりだと少し買うときに安く なるので、皆さんにお話し聞く と1本で使いきれるからこれく らいでいいという方がいる」
接客の会話も仕入れに生かされています。
この日朝5時から準備していたのは、70人分の仕出し弁当です。卓朗さんの代から始めました。
多いときには1日500個の注文を受け、地域の敬老会やイベントを支えています。
仕出し弁当が出来上がると、次はこの日店頭に並べる総菜の準備。
安楽屋で人気の総菜、およそ20種類が店頭に並び終えた頃、午前9時の開店を迎えます。
【午前9時 開店】
早速1.5キロほどの人参を手に取るお客さんが…。
客は
「値上がっている世の中ではありがたい金額だと思っています。(小さめは)逆に使いやすくてすごくいいと思います」
最近の物価高で野菜にも手が出しにくい中、この日のキャベツは322円。2玉買っていく人も目立ちます。
軒並み値上がりしている野菜も、出来るだけ安く提供。
卓朗さん
「よくこんなにお客さん来てくれ るな。どう見てもお客さん来て くれそうな店ではない」
はにかむ笑顔で謙遜する7代目。
150年以上続くスーパーには、6代目の父・保さんから受け継がれている思いがあります。
阿部卓朗さん
「店はお客さんのためにあるとい うのは親父が言ってたことだか ら、それに沿えるようにはした いけど。本当は進歩したいんだけど、進 歩できない状態」
それでも卓朗さんの代から新たに加わった地元ならではのお得意先もあります。
阿部卓朗さん
「にんじんとか玉ねぎね。保育園の給食室に朝持っていき ます。今こういう業者が少なくなって きているので、うちともう一軒 の近所の店で月替わりで保育園 5か所あるけど、分けてやって います」
「頼まれたら自分たちにできることをやる」。
時代の変化にあわせて、客のニーズに答えてきました。
お昼。
買い物客にとって嬉しい時間。「タイムサービス」です。
安楽屋では正午から午後3時まで曜日ごとに肉や刺身などが2割引きに。
この日の対象は、総菜です。
客
「安いし種類もあって美味しい。家で揚げるの大変じゃないです か。だから割とここで。12時からまた安くなるので、ラ ッキーと思って」
しかし、2割引きのタイムサービスで終わらないのが、安楽屋。
午後5時。
「お刺身もすべて半額になります。夕方には総菜と刺身が、全て半額に!
内川啓子さん
「安くていいよ」
近くに住む内川啓子さんは、週に数回、安楽屋を訪れる常連さんです。
この日の夕飯は安楽屋で買った太巻きや総菜など。
夫の明さんと2人暮らしですが、お互い病気を患っているため、安楽屋の総菜が、食事の助けにもなっているようです。
内川啓子さん
「体が動かないからこうやって食 べれば楽。」「味付けうまいよね。
夫・明さん
「うまいよ」
午後6時。
閉店間近になると、棚に並べられた刺身はほとんどなくなり、総菜は売り切れ。
「(お惣菜売り切れましたけど)ほとんどそういう日の方が多いです。売れてよかったなと思いますよ。でもお客さんに不便をかけているところもある。数が少なくなってほしいものがなかったということはありえることだから。」
いつでも考えることはお客さん第一。
150年以上地元に愛される老舗スーパー、そこには人柄あふれる家族の姿がありました。