【情熱】80歳のテニスプレーヤー 全国の頂点に 最大の武器はフォアハンドのストレート 岩手県盛岡市
続いて「oneスポ特集」です。
80歳にしてテニスで全国の頂点に立った男性が岩手県盛岡にいます。
情熱と軽やかな動きを取材してきました。
力がみなぎるパワフルなプレー。
すばやく軽快な動き。
そんな若々しいブレーをしているのは、盛岡市の工藤喜彌(よしや)さん。
お年は、なんと80歳!
しかも!
工藤さん
「6月31日付の月例のJOPの全日本ベテランの80歳以上で1位になりました。」
工藤さんがテニスを始めたのは40年前。
盛岡四高の教師時代にテニス部の顧問になったのがきっかけです。
生徒に教えるために自分自身もテニスを始めたそうです。
2年後には盛岡市の大会で優勝するほどになりました。
工藤さん
「テニスはどっちかというと個人の競技なんですよね。だから個人で練習すれば自分がうまくなっていくのも分かるし、全責任が自分の形でやれるという、それがまた自分でも面白いのかなっていう」
そして、定年退職後、本格的にのめり込むと、メキメキと実力をつけ、数々の大会で輝かしい成績を残してきました。
現在、工藤さんの生活はテニスを中心に回っています。
盛岡市東仙北にある「山清(やませい)テニスクラブ」。
工藤さんは雨が降らない限り、ほぼ毎日ここで汗を流しています。
指導するクラブのコーチに工藤さんの長所をうかがってみました。
テニスクラブのコーチ
「年齢関係なく、3セットマッチというのをやってまして、まず体力がないとダメだというのがひとつと、あとやっぱり同じ年齢の方に比べるとすごいパワーがあるので、そこの部分に関しては飛び出てるのかなと。」
工藤さんの最大の武器は長所であるそのパワーを生かしたフォアハンドのストレートです。
工藤さん
「フォアがやっぱりキーポイントで、決め球みたいにして、試合を組み立てようと。手応えというか、打ったときの感触からして、満足というか、勝ったというそういう感じはしますね」
工藤さんは練習の虫です。
工藤さん
「使ってるマシンはこれです。球出し機なんですけど」
こちらの球出し機、なんと自ら購入したそうです。
練習相手がいないときは、これをフォームチェックに使うなど、自主練習に励んでいます。
雨などでテニスコートに行かない日は、自宅で体を動かします。
テニスクラブの講習会で日本代表チームのトレーナーから教わったトレーニング方法を自分なりに取り入れ、体づくりやケアを欠かしません。
工藤さん
「普段伸ばさない筋肉を伸ばす。少しづつ全部伸ばしていけば、柔軟性にも繋がるという。(体)全体を動かすという、たぶん動きの(改善には)繋がると思います」
工藤さんは今、去年、決勝で負けた「全日本ベテランテニス選手権大会」に向けて課題の克服に取り組んでいます。
テニスクラブのコーチ
「(フォアハンドに)緩急をつけて。強いボールよりも打ちづらいボールを(打たないと)。あとポジショニングが中に入りすぎちゃうから(修正すること)。」
工藤さんは日々の努力で成長と可能性を感じると言います。
工藤さん
「少しづつ、今までバックのスピンができなかったのに、あれ?できる!この歳でもまだやればできるじゃない。楽しいです。やっぱり。」
うまくなりたい気持ちと情熱、そして誰にも負けない練習量、テニス好きの80歳は、まだまだ進化中です。