きらやか銀行の昨年度決算 過去最大244億円の赤字 取引先の破綻に備えた「与信関係費用」ふくらむ
山形市に本店があるきらやか銀行は14日、昨年度の決算を発表し、最終的な損益は過去最大となる244億円もの巨額な赤字となりました。
きらやか銀行が発表した昨年度の決算によりますと、一般企業の売上高に相当する「経常収益」は有価証券からの利息配当金が減り、前年度より1億2800万円減少の172億7200万円となりました。「経常損失」は237億7800万円と前年度より178億5700万円増加しました。「当期純損失」は244億2800万円の赤字で、昨年度より160億9400万円増加し、過去最大となった前年度の3倍となる巨額赤字を計上しました。
大幅な赤字の要因として、今後10年分の取引先の倒産などに備えた「貸倒引当金」、144億円のほとんどを前倒して計上するなど取引先の破綻などに備えた、「与信関係費用」が185億400万円に膨らんだことなどを挙げています。この中には、5月に入り破産や自己破産の申し立てなどを行った新庄市の郷野目ストアと山形市の鎌田工務店、それに村山市の丸伸建設への引当処理費用も含まれています。
きらやか銀行・川越浩司頭取「非常に大きい赤字で、それも2期連続なので、重く受け止めている。取引先、株主の皆様にご心配、ご負担をおかけすることになりますが、先を見越した形で経営判断したつもりですので、ぜひご理解いただければありがたい」
一方、ことし9月に予定していた返済が困難となっている公的資金200億円については、返済時期の延長に向けて国側と協議を始めたということです。
赤字の責任を取って川越頭取は公的資金返済が国との協議にめどが立った時点で頭取を辞任する方針です。今後は黒字化できる体制づくりを目指すとし、今年度は経常利益2億円、純利益は1億円を見込んでいます。