衆院選今年ある?山形県内の立候補予定者たちの年末年始 揺れる自民党 野党共闘は?
衆議院議員の任期が残り2年を切り、岸田総理大臣がことし、解散という決断をするのかどうか、注目されます。政治と金の問題や大災害への対応などもあり、先が見通せない中、山形県内の立候補予定者たちの年末年始の動きを追いました。
県内の衆議院議員の3議席は現在、自民党が独占しています。県都・山形市を含む県1区の現職は自民党県連の会長を務める遠藤利明さん。一方、立憲民主党は元県議の原田和広さんの擁立を決めています。また、共産党も候補の擁立を進めています。
3年前の前回の衆院選で一騎打ちを繰り広げた遠藤さんと原田さん。結果は3万6000票余りの差で遠藤さんに軍配が上がりました。
「皆さん、明けましておめでとうございます」
遠藤さんは1月3日、4年ぶりとなる「新春を祝う会」を開催しました。入り口には能登半島地震支援の募金箱が…
自民現・遠藤利明衆院議員「早速あした帰って、いま政府で非常災害対策本部を作ったので党としてもしっかり対応を進めていかなければならない」
自民党の総務会長などを歴任し、岸田総理の盟友としても知られる遠藤さん。周囲からは早くも次期衆院選に向けて結束を呼びかける声が上がります。
佐藤孝弘山形市長「ことし、もしかしたら解散があるかもしれない。もう日本の遠藤利明。べったり選挙区に張り付いているわけにはいかない。そうした時に我々が『安心していってこい』『しっかり城は守るから』とやっていくことが非常に大事」
派閥の政治資金パーティーを巡るキックバック問題で苦境に立たされている自民党。
この日の遠藤さんの集会にはおよそ600人が出席し会費は1人5000円でした。遠藤さんは今回の会合について「会場や料理などに掛かる実費相当を会費としてもらっており、政治資金目的のパーティーではない」と説明しています。
自民・現遠藤利明衆院議員「自民党としての責任だと思っている。大事なことは政治には一定のお金がかかりますが、収入と支出を誰が見てもはっきりと分かる形に作っていくことが大事」
無派閥で自民党の谷垣グループに所属する遠藤さん。政治への信頼回復が急務だと強調します。
【ON】自民現・遠藤利明衆院議員「安倍派の問題ではなく自民党として信頼回復のためにしっかりと制度改正を含めて考えていく必要がある。まずは自民党が率先して制度改正に議論を深めて早急に対応を考えていかなければならない」
一方、野党は与党派閥の政治と金の問題を厳しく非難しています。
国民民主党・舟山康江参院議員「裏金問題、キックバック問題、こんなことばかりに議論の時間が割かれ本来行なうべき政策議論が後回しになってしまったのは大変残念」
芳賀道也参院議員「裏金にまみれた政治家に1人1人の国民を幸せにできるはずがありません」
1区に出馬を予定している立憲民主党の原田さんはこの問題が次期衆院選の大きな争点になると考えています。
次期衆院選1区に出馬予定立憲新 原田和広氏「政治と金の問題をどの政党だったらしっかりきれいにできるのかその1点に尽きると思っています。自民党が信頼できないのは分かっている。しかし野党もまとまれないじゃないか信頼できない。いま一番怖いのはこの理屈でまた自民党に政権をとらせてしまうことです」
1月5日、原田さんは県内最大の労働団体である連合山形の会合に出席し、衆院選への意欲を語りました。
次期衆院選1区に出馬予定立憲新 原田和広氏「解散総選挙もささやかれております。あわただしい年になってまいりました。我々は常に政権交代をする気概で自民党に対峙していきたいと思ってます。ぜひ働く皆さまの力をこれからも立憲民主党にお貸しいただきますようお願い申し上げたい」
置賜と村山地方の一部が含まれる県2区の現職は農林水産副大臣を務める鈴木憲和さん。これに対し、共産党県委員会が候補者を擁立する方針です。また、国民民主党県連が中心となって候補の擁立を模索しています。
庄内と最上にまたがる県3区の現職はこども政策担当大臣を務める加藤鮎子さん。一方、共産党県委員会は元鶴岡市議の山田守さんの擁立を決めています。このほか、立憲民主党県連を中心に候補の擁立を目指しています。
ところで去年、衆院本会議で、国民民主党は与党の補正予算案に賛成し、国政では野党間の溝が深まっています。こうした中、国民民主党の舟山康江参院議員は引き続き、県内の野党共闘体制を継続し、次期衆院選は野党統一候補で戦いたいとの考えを示しました。立憲民主党県連と共産党県委員会も共闘に前向きな姿勢を示しています。
国民民主党・舟山康江参院議員「それぞれ別の政党なので政策の違いもあるし一致するところもある。そこは是々非々で協力するところは協力する。選挙の協力体制はしっかり大事にしていくことは引き続きやっていきたい」
自民党は11日、派閥のあり方を議論する「政治刷新本部」の初会合を開きました。今後は6月の所得・住民税の減税、9月の自民党総裁の任期満了など解散のタイミングともなりえる節目が控えています。一方、能登半島地震への対応もありより一層、見通せなくなった解散の時期。しかし、立候補予定者たちの動きは少しずつ加速しています。