大雨被害で休業余儀なくされた温泉旅館 復旧作業続け来月にようやく再開の目途 山形・最上町
山形県の庄内と最上地方を中心に深刻な被害に見舞われたことし7月の記録的な大雨から25日で3か月が経ちます。土砂が流れ込み、休業を余儀なくされた最上町の瀬見温泉の旅館ではいまも復旧作業が続けられています。そしてようやく、再開の目処がたったという旅館を24日、取材しました。
中川悠アナウンサー「7月の豪雨では後ろの山で土砂崩れ…こちらにも土砂が流れ込み、こちらの旅館にも被害がありました」
ことし7月、山形県内を襲った記録的な大雨ー。庄内や最上を中心に土砂崩れなどが相次ぎ、甚大な被害が出ました。
最上町の瀬見温泉にある「ゆめみの宿 観松館」は近くの山の斜面が崩れ、大浴場や露天風呂まで土砂が流れ込みました。大浴場はことし6月にリニューアルしたばかりでした。
ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長「かなりショックで泣きそうになりましたよね」
被害を受けた旅館では休業を余儀なくされ、従業員やボランティアらが連日、猛暑の中、泥の撤去作業に追われました。
記録的大雨から3か月ー。
24日、旅館を訪れると業者による復旧工事が続けられていました。
ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長「あれが浄化槽、土砂崩れの泥を全部被ってしまった手前にあるのが壊れてしまった浄化槽、その奥に新しいものを作っている最中」
敷地内の土砂のかき出し作業は終えましたが、現在は浄化槽の新設工事や大浴場の床や壁の改修が進められています。
ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長「泥のかき出しだけで1か月ぐらいかかった。そこから業者に入ってもらって建築工事や設備工事を進めている状態」
今回の豪雨災害では建物や機械設備の被害額や、予約のキャンセル分などの売上の損失を合わせると、被害総額は3億5000万円余りに上るということです。
ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長「災害当初は2週間程度あれば何とか再開できるかなと思い、2週間お客さんをお断りしたが、被害の全容が見えてきたらもう1か月延ばしてまた延ばして…。結局3か月半くらいお客さんをお断りする形に」
観松館ではクラウドファンディングをスタートし施設再建の資金募集を始めました。大浴場の修繕費や当面の運転資金として目標を300万円に設定。するとー。
ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長「目標が300万円で設定して、いま563万1千円集まっている。200人くらいに支援してもらっている」
わずか5日間で目標金額を達成することができました。
ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長「どのくらい集まるか全然分からず不安だったが、やってみたらたくさんの方からご支援いていただいて。応援のコメントもたくさん、本当にありがたい」
観松館では次の目標金額を2000万円に再設定し引き続き、12月5日まで支援金を募集します。
ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長「災害前よりもいい旅館を目指して従業員みんなと頑張って、たくさんのお客さんに喜んでもらえる ような旅館にしたい」
浄化槽復旧の目途が整ったことから観松館では来月11日の再開を予定しています。