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しぼりたての味わいを 凍らせた日本酒誕生 天童市の酒造会社が開発 消費拡大に期待

2025年1月29日 17:38
しぼりたての味わいを 凍らせた日本酒誕生 天童市の酒造会社が開発 消費拡大に期待

しぼりたての味わいを家庭で楽しめる、凍らせた日本酒が誕生しました。開発したのは天童市の酒蔵。日本酒の消費拡大に向けた取り組みとしても期待されています。どうやって凍らせたのか、その気になる味とはー。

瓶の表面が白く凍った日本酒。その名も「出羽桜酒造別誂 凍結生蔵出氷炎」です。天童市の出羽桜酒造が、日本酒の商品開発などを手掛ける富山県の企業「TOMIN SAKECOMPANY」の技術を活用して開発しました。

出羽桜酒造・仲野益美社長「しぼってすぐに凍結させているので、しぼったままの酒がそのままお客様にお飲みいただけることが最大のポイント」

しぼりたての生酒をマイナス30度の凍らない液体「不凍液」に40分ほど浸して急速冷凍。酒と水では凍る温度は違いますが、この方法であれば同時に凍らせることが可能で鮮度を保つこともできます。

TOMIN SAKECOMPANY(富山県)前川達郎社長「早く熱を奪うと解凍した時凍らせる前と同じ状態に戻せる、再現性がものすごく高い。その技術を日本酒に応用したのは初めてで、まだ生まれたての商品」

解凍させて飲むことで、酒蔵でのしぼりたての味を家庭でも楽しむことができます。商品は「清酒」に加え、白くにごった「おり酒」の2本で1セットとなっており、飲み比べもできます。価格は税込み1万9800円。気になるその味はー。

記者リポート「それではまずは清酒からいただきます。澄んださわやかな味です。香ばしい香りが広がっておいしいです」

「清酒」と「おり酒」を混ぜて飲むこともおすすめだといいます。

記者リポート「おり酒のフルーティーさと清酒のさわやかさが相まってとてもおいしいです」

この商品は、東京の「帝国ホテル」のオンラインモールで、1月15日から88セット限定で販売されています。

帝国ホテル・惣田新一EC事業部長「ユネスコの無形文化遺産に日本酒などが登録されたし、世界的にも日本酒含め伝統的な酒造りの商品は注目を浴びているので、インバウンドでお越しになる外国の方も大勢いるので、日本のお酒のいいところをアピールできるよう引き続き努めていきたい」

商品開発の背景にあるのは、日本酒の国内消費の伸び悩みです。
農林水産省によりますと、日本酒の国内出荷量は1998年に110万キロリットルを超えていましたが、ほかのアルコール飲料との競合などにより減少傾向が続いていて、おととしは39万キロリットルまで落ち込みました。
出羽桜酒造では、今回の新商品によって日本酒の新たな楽しみ方を提案し、国内での消費回復にもつなげたい考えです。

出羽桜酒造・仲野益美社長「日本人の英知を結集したお酒をもう一度見つめ直してもらいたい。一番ベースとなる日本の中で日本酒を広げていく努力を今後とも様々なアプローチをしながら様々な取り組みをしながらお客様に訴えかけていく必要がある」

出羽桜酒造では12月、イギリスを代表するデザイナーの作品をラベルに印刷した、特別酒も発売。消費者にアピールする工夫を重ねています。国内外の企業や団体と連携しながら、日本酒の消費拡大に向けた取り組みが続きます。

最終更新日:2025年1月29日 18:49