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山形県などが発注の家畜用ワクチンの入札で談合か 公正取引委員会が立ち入り検査 3社が交代で受注

2024年10月8日 17:19
山形県などが発注の家畜用ワクチンの入札で談合か 公正取引委員会が立ち入り検査 3社が交代で受注

山形県などが発注した家畜用ワクチンの一般競争入札で談合した疑いがあるとして、公正取引委員会は8日、卸売業者3社の山形営業所などを立ち入り検査しました。

独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を受けたのは、動物用医薬品販売を手掛けるMPアグロとアグロジャパン、小田島商事の3社の山形営業所と発注元の山形県です。関係者によりますと3社は遅くとも2020年度以降、県と県畜産協会が発注した豚熱対策用や一般的な家畜に使うワクチンの入札で、事前に受注業者や受注価格を決めていた疑いが持たれています。
公正取引委員会は8日午前からそれぞれの立ち入り検査に踏み切りました。
豚熱用ワクチンをめぐっては国内で初めて豚熱の感染が確認され、急きょ入札が行われた2020年度を除き、2021年度から今年度に至るまで3社が交代で受注していました。
県畜産協会によりますと、県内で動物用医薬品を取り扱っている業者はこの3社のみだったということです。
業者間の談合が疑われる事態を受け、県農林水産部の星里香子部長は8日午後、報道陣の取材に応じました。

星里香子農林水産部長「調査が進んでいく中で要請があれば調査に協力していく。事実がはっきりした段階で対応はきちんと行っていきたい」

県畜産協会の専務理事はー。

県畜産協会上野宏樹専務理事「畜産協会としては談合には一切関与していない。適切な入札をしながら出来る限り安い動物用医薬品の購入に心がけている。県内の畜産農家は飼料高騰などで苦しんでいる中、このような不適切な事案があったのは非常に残念」

農林水産省の統計によりますと、県内で飼育されている畜産用のウシはおよそ5万3000頭で、ブタはおよそ16万頭に上り、協会によりますと、このほとんどが複数のワクチンを打っています。談合によってワクチンの接種費用が本来よりも高くなり、畜産業者の負担につながっていた可能性が浮上しています。

最終更新日:2024年10月8日 20:19