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暖冬の影響で例年とは違った異変も…暖房費「例年比2割減」バラの生育「良好」

2024年2月2日 18:54
暖冬の影響で例年とは違った異変も…暖房費「例年比2割減」バラの生育「良好」

例年にない暖冬で、農業の現場ではいつもとは異なる影響が出ています。鮭川村のバラ農家を2日、取材しました。

鮭川村の安彦園芸では、村内に7つあるハウスでおよそ20品種のバラを栽培しています。年間で70万本のバラを全国の花き市場に出荷しているといいます。2日は「ロンドンタイムズ」という品種の収穫作業が行われていました。

バラの生育に欠かせないのが、ハウス内の温度管理です。冬場でも19度から20度ほどに保つ必要があり、暖房が欠かせません。

安彦園芸・安彦健一社長「このハウスには(ヒーターが)2台入っている。18度設定にして(ハウス内の温度が)それより下がれば自動で稼働する」

ことしは、暖冬の影響でヒーターの稼働時間が例年より短いといいます。

安彦園芸・安彦健一社長「例年より日中はほとんど稼働しない状態。例年は日中も雪が降っていればずっと稼働しているが、ことしはずいぶん助かっている」

安彦さんによりますと、この冬は暖房に掛かる費用がこれまでのところ、例年と比べて2割ほど減っているということです。また、雪が降る日が少ないことでバラの生育に良い影響が出ていると話します。

安彦園芸・安彦健一社長「雪(の降る日)が少ない分(バラに当たる)光が多いのでバラの生育が例年より早い。出荷量も多少増えてきている。いい状態。」

一方で、暖房に使われる重油の価格はコロナ禍前と比べて1リットル当たり20円ほど高くなるなど、生産コストは依然として高い状態が続いているといいます。

新型コロナの影響で結婚式などの需要が落ち込んだこともあり、ことしはバラの需要が高まることを期待しています。

安彦園芸・安彦健一社長「ぜひ香りや色、咲き方の違いもあるのでお店で買っていただきたい」

県農業技術環境課によりますと、県内で暖冬による農作物の生育不良などはこれまでのところ確認されていないということです。

一方で、特にサクランボなどの果樹は、発芽のために低温の環境で一定期間、休眠する必要がありますが、暖冬の影響でことしは発芽の時期が例年並みか遅くなる可能性があり、春先の低温や霜による被害も懸念されるということです。県は霜被害などへの対策を早めに行うよう呼びかけています。