「過去15年間で初めて」雪不足で1日も営業できないスキー場が 山形県内スキー大会も中止相次ぐ
暖冬となっている今シーズンの山形県内は連日、春を先取りするような高い気温が続いていて各地のスキー場では雪不足に悩まされています。このうち西川町のスキー場では今シーズン、1日も営業できていない異常事態となっています。
西川町にある西川町民間沢スキー場です。去年は銀世界が広がっていましたが、15日午後、スキー場を訪れると…。
間沢食堂・山川佳洋さん「こちらの方がゲレンデになっておりますけども、今現在、雪が少ない状態で正面に見えるのが中級コースだが全く雪がない状態です」
例年、1メートル以上の積雪があるゲレンデは、その大部分で地面がむき出しになっていました。雪不足の影響でこのスキー場は今シーズン、1日も営業ができていません。運営会社によりますと、経営を引き継いでから今シーズンまでの過去15年間で初めての事態で、収支は赤字になっているといいます。
スキー場に併設されているレストラン・間沢食堂にはスキーヤーから「滑ることができるかどうか」の問い合わせが複数あったといいます。
間沢食堂・山川佳洋さん「先週までは毎日のようにゲレンデの状況確認の電話があったが、もう、心苦しかったが、滑走は絶望的だと伝えた」
よくスキー場を訪れるという男性はー。
男性「(この状況は予想してました?)いやないない。スキー関係の人は大変だよね」(きょうは何をしに…)「きょうはフキノトウ採りです。普通なら収穫できるのは4月入ってからだよね」
スキー場内にある間沢食堂の売り上げも去年の10分の1ほどまで下がる厳しい状況だといいます。少しでも客を呼ぼうとテークアウトメニューの販売に力を入れています。
間沢食堂・山川佳洋さん「材料も残る場合があるのでそれを客に還元しようとワンコイン丼を始めた。きのうときょうは20人、あすの予約は40人ほど。西川町をなんとか盛り上げようとワンコイン丼を行っている」
県内では現在、多くのスキー場が滑走可能ですが、西川町の他にも白鷹町の町営スキー場や飯豊町の手ノ子スキー場が雪不足のため、14日夕方から営業を取りやめています。また、小国町の横根スキー場も雪不足で一部が滑走できず、15日夜、一帯に雨が降って雪が解ければ15日から営業休止する可能性があるということです。
県スキー連盟などによりますと、雪不足の影響で県内各地でスキー大会が中止となっています。中止が相次いでいる背景には、滑走可能なスキー場でも積雪が少なく、ポールを刺せないためにコースを作れない状況があるということです。
県スキー連盟の菊地勉競技本部長はYBCの取材に対し「今シーズンは小中学生の大会中止などで子どもたちがスキーに親しむ機会が減っている」と危機感を示しています。