「遮光」や「スプリンクラー」 山形県産サクランボ「双子果」減らす対策の実証実験
ことしの山形県産サクランボは去年夏の猛暑で実が2つくっついた「双子果」が多く発生するなどして、収穫量は30年ぶりに8000トン台の低水準となりました。こうした中、双子果を減らす対策の実証実験が村山や置賜で始まっています。
サクランボの実が2つくっついた状態になる「双子果」。高温の影響で、花芽が異常形成されることで双子果になるとされ、商品価値が低くなります。ことしの県産サクランボは去年夏の猛暑の影響で「紅秀峰」を中心に双子果が多く発生しました。
須藤淳哉さん「花芽はこういうところにある、粒つぶみたいな小さいもの。秋ぐらいになるとどんどん花芽が大きく成長してくるのでその時期や剪定の時期には花芽が大きいとか小さいとかを見ますね」
県はサクランボの双子果発生を減らしていこうと、花芽が育つ時期に合わせ、8月上旬から村山や置賜の16園地31か所で高温対策の実証実験を開始。この日は対策が行われている天童市の園地で報道機関に取り組みが公開されました。高温対策の一つは、光を遮り温度を下げる効果がある白い遮光ネットをハウスの西日が当たる部分に被せます。県によりますと、この対策は以前から双子果予防に効果があるとされていますが、高所作業の労力が掛かるという課題があるということです。
実証実験ではこのほか、凍結や霜の被害を防ぐために設置されているスプリンクラーを使って木の上から水をまき、温度を下げる試みも行われています。
県園芸大国推進課 伊藤祐幸課長補佐「サクランボをこれからも安定的に生産していくためにはこういった対策が必要と考え実証実験に取り組む」
サクランボ農家・須藤淳哉さん「労力もお金もかかるがこういうことをしていかないとこれからのサクランボ栽培はちょっと厳しくなってきている実感。ここ数年平年並みとかサクランボが順調に良く育ったという年があまりないので、そんなにたくさん実がならなくてもいいので例年並みに良いサクランボがとれるようになってほしい」
実証実験は9月10日まで行われます。県は実験の結果を踏まえ、双子化発生を防ぐための対策マニュアルを作り、来年以降の対策に役立ててもらう方針です。