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【特集】「和太鼓に沼落ち」世界で活躍の女性プロ奏者が奮闘!ふるさと拠点に魅力発信

2025年3月6日 14:00
【特集】「和太鼓に沼落ち」世界で活躍の女性プロ奏者が奮闘!ふるさと拠点に魅力発信

 和太鼓の魅力に“沼落ち”した、南アルプス市出身の女性がいます。プロの和太鼓奏者として世界を舞台に活躍後、現在はふるさとを拠点に和太鼓の楽しさを多くの人に伝えようと奮闘する女性の思いを取材しました。

 南アルプス市出身の和太鼓奏者、依田みづほさん(37)です。

 市内に教室を開き、週に3回、小学生から60代まで約30人の生徒に和太鼓を教えています。

和太鼓奏者 依田みづほさん
「がんばってさっきよりも手を振ってみてください。理想は目よりこぶしが上がることです、目より常にこぶしが上にいくといいかなと思います」

和太鼓奏者 依田みづほさん
「あんまり負担にならない教室。家で曲を覚えてこなくてもいいし、予習復習しなくてもいいしという教室なので、リズム音痴ですという方もやれます。うちの教室だったら」

 和気あいあいと進む練習ですが、依田さんの指導に生徒は時に真剣な表情も見せます。

和太鼓教室の生徒
「(先生は)面白いし優しい。力振りしぼってやったから、手がめっちゃ痛いけど楽しかった」

和太鼓教室の生徒
「ずっと(和太鼓)をやりたいなと思っていたが、ハードルが高くて。始めるということに関して。でも先生が和太鼓を身近に機会をつくってくれて知って、ちょっとやってみようかなと思って始まった」

 依田さんが和太鼓と出会ったのは15歳の時。地元の旧甲西町の祭りで見た演奏に圧倒されました。力強い音の響きと迫力に引き込まれた依田さんは、地元の保存会の門を叩きます。

和太鼓奏者 依田みづほさん
「沼落ち。(和太鼓の魅力に)はまっちゃったんですね。爽快感があったんだと思います、打っていて。みんなで音を合わせることの初めての一体感」

 プロを志して20歳で大阪の演奏チームに入団。国内のみならずアジアやヨーロッパなど、これまでに約20カ国を公演で訪れました。

和太鼓奏者 依田みづほさん
「行けばもう4か月とか帰ってこれない。どうしても海外のツアーがぎゅっと詰まると、朝日本に帰ってきて、夕方に空港に集合して、ベトナム行ってとか。トルコで仕事していて、1週間後にオランダに行くのにリハーサルのためだけに1回日本に帰ってくるとか」

和太鼓奏者 依田みづほさん
「そういうことが頻発したときは体調もですし、時差ボケで気持ちがウッとなってしまったりとか」

 和太鼓とともに海外を飛び回る、多忙な生活を続けること約10年。活動当初から抱えていた「いつかはふるさとで活動したい」という思いから、2020年に拠点を山梨に移しました。

 現在、依田さんは地元・南アルプス市で教室を主宰するほか、和太鼓ユニット「Hiten」を結成。イベントでの演奏や県内の宿坊でインバウンド客に向けた和太鼓体験などを行っています。

和太鼓奏者 依田みづほさん
「和太鼓という楽器に出合ってから、活動を通してものすごくたくさんの方と出会うことができた。和太鼓は人と人をつなげてくれるツール。そこが魅力かなと思う」

和太鼓奏者 依田みづほさん
「大人になってから新しくなにかを始めるというだけでもハードルが高いことなので。『楽しい』が前面にあったほうがいいかな、わたしの教室では」

和太鼓奏者 依田みづほさん
「もう少し太鼓が身近なハードルが低くなるような環境、雰囲気をみなさんにお知らせすることができたらいいなと思います」

 23年間、世界を舞台に和太鼓と向き合ってきた依田さん。

 自身が“沼落ち”した和太鼓の楽しさを、ひとりでも多くの人に伝えたいー。新たな目標に向けてふるさと・山梨の空に、きょうも太鼓の音が響きわたります。

最終更新日:2025年3月6日 14:00
山梨放送