「新米までのガマン」のはずが…コメ価格の高騰続き弁当店が苦境「ギリギリの状態」山梨
コメ価格の高騰が続き、弁当店や飲食店が苦境に立たされています。去年「新米が流通するまでのがまん」と話していた弁当店は、長引く価格高騰に「店が続けられるかギリギリの状態」と悲鳴を上げています。
KASHIWAYA 店主 伴野幸子さん
「(コメ価格は)上がる一方ですね」
甲府市中心部に店を構える弁当店「KASHIWAYA」です。
去年6月に取材した際、店主の伴野幸子さんはコメの価格が前年から約2割上昇したことに頭を抱えていました。
KASHIWAYA 店主 伴野幸子さん(去年6月)
「開店から半年しか経っていないので、値段を上げるということは難しい。内容を急に変えるわけにはいかないので、店が負担をしている」
当時の伴野さんは「新米の流通が始まる秋までのガマン」と話していました。ところが、その後もコメの価格は高騰を続けます。
農林水産省によりますと、県内のコシヒカリの取引価格は伴野さんに取材した去年6月以降も上がり続け、新米が流通し始めた9月以降も高止まりしています。
新米が流通した後も一向に価格が下がらないことを感じ、伴野さんは農家からの直接仕入れに切り替えるなどして対応しました。それでも去年6月より、さらに2割ほど値上がったといいます。
店は550円だったのり弁を600円に値上げするなどして現状をしのいでいますが、これ以上の値上げは難しいと言います。
KASHIWAYA 店主 伴野幸子さん
「本当は値段を上げればお店自体は楽だが、客にその分負担が行ってしまうのでなるべく避けたいと思って。売り上げに対してはかなり影響があるが、なんとかがんばっています」
長引くコメ価格の高騰を受け、政府は備蓄米を放出することを決め、近く放出量を公表します。伴野さんは「備蓄米による価格抑制にはあまり期待していないが、価格が安定してほしい」としています。