甲斐善光寺ピンチ!物価高騰で修復費33億円 県に協力要請 山梨県
甲府市の甲斐善光寺で国の重要文化財に指定されている本堂と山門で、約70年ぶりの修復事業が始まろうとしています。
しかし、物価高騰のあおりを受けて修復費用は33億円に膨れ上がっていて、寺は10日、県に協力を要請しました。
甲斐善光寺は約70年前に大規模な改修を行いましたがその後、老朽化が進み、雨漏りや壁の塗装の剥落など損傷が進んでいます。
1955年に国の重要文化財に指定されているため、修復事業には建設当時と同じ部材や工法が必要だということです。
甲斐善光寺 吉原知仙 副住職
「建て直す技術があるのだろうかと言われるくらいの建物なので、雨漏りによって腐食して手遅れになってしまったら、取り返しのつかないことになるので、今の段階で元の形に守っていきたい」
修復事業は今年度から2033年までの10年間を予定し、最初の3年間は修理箇所や耐震性の調査を行うとしています。
修復費用は5年前の見積もりでは20億円でしたが、物価高や人件費の高騰の影響で33億円にまで膨れ上がっているとして、甲斐善光寺は10日、長崎知事に国の補助金獲得などに向けた協力を要請しました。
県は今後、文化庁に修復費用の補助を求めるとしています。
また、甲斐善光寺では並行して、クラウドファンディングなどで全国へ広く協力を呼びかけるとしています。