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【特集】「新型コロナ」県内初確認から5年…戻った景色と戻らぬ景色 “戦い”を振り返り 山梨

2025年3月6日 17:23
【特集】「新型コロナ」県内初確認から5年…戻った景色と戻らぬ景色 “戦い”を振り返り 山梨

 2020年3月、県内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されてから6日で5年が経ちました。この間、私たちの生活はどのように変化し、元に戻ったのは何なのか、取材しました。

街の人は
「部活動の活動が自粛でできなかったりした」

街の人は
「子どもを親戚に会わせてあげられなかった」

町の人は
「旅行にもっと行きたかった」

町の人は
「友達に会わないとか、会いたいけど今はやめておこうと…」

長崎知事(2020年3月)
「県内において新型コロナウイルス感染症患者の発生が確認されました」

 2020年3月6日。県内で初めて確認された“未知のウイルス”による感染者はその後、流行の「波」を伴いながら加速度的に増えていきました。

安倍首相(2020年4月7日)
「緊急事態宣言を発出します」

 感染予防を第一にイベントは軒並み中止に。マスクなしの会話はダメ、親しい人とも距離を保つことが求められる日々が続きました。

 感染機会を減らすため人々が外出を控えたことで、追いつめられていった人も。

コロナ禍で閉店した店主
「がまん比べにがまんができなくなっちゃいました」

スポーツ大会の主催者
「今回、山梨大会の中止ということを発表させていただきました」

 一方、感染者の搬送や疫学調査、ワクチンの手配など、最前線で戦い続けた保健所の職員も疲弊が続きました。先の見えない戦いの開始から5年ー。

甲府市元ワクチン班長 堀内剛 課長
「ワクチン接種自体が初めての経験で、緊急事態という意識もかなりあった。手探りでの体制整備や実施に向けて準備をした」

 おととし5月、新型コロナの5類移行により、極限状態が続いた保健所の業務は大幅に減りました。ただ、大規模会場やドライブスルーでのワクチン接種をはじめ、従来の行政では考えられないスピードやアイデアが求められた経験は今に生きているといいます。

甲府市元ワクチン班長 堀内剛 課長
「今後、同じようなこと(感染拡大)が起きた時に素早く対応できると思うし、知見が得られたという点では保健所の役割を果たしたのではないか」

 一方、入所者の命を守るため最大級の感染対策がとられた高齢者施設。家族であっても接触は禁じられ、面会はガラス越しやテレビ電話越しとなりました。

特別養護老人ホーム「風林荘」新津保 施設長
「新型コロナ自体がどういうものか分からず、必要以上に警戒していた」

 しかし、こちらの施設ではある理由で、去年秋から入所者との面会を部分的に解禁し始めています。

特別養護老人ホーム「風林荘」新津保 施設長
「生活のうるおいを少しでも回復していかなければいけない。まずはやはり家族と会うこと自体を制限し続けることは、どうなのかなと思った」

 一方、新型コロナをきっかけに、街の医療機関では発熱患者と通常の患者が接触しないようにするため、待ち合いの方法を変えました。そして、それは今も続いています。

いいのクリニック 飯野善一郎 院長
「発熱の患者さんに関しては院内に入らずに車の中で待ってもらって診察をする。おそらく今後もこの方法で行くと思う。昔はマスクもしないでインフルエンザ患者を診ていたが、だんだんとそういう時代ではなくなってきた」

 コロナ禍前に戻った景色と、戻らない景色。2つの景色が混在する中、人々は失ったかつての日常を取り戻そうとしています。

街の人は
「今だったら『会いましょう』と言えば、『来週くらいに』と簡単に約束できる」

街の人は
「今は資格を取ったり自分の内面を充実させたりしていきたい」

街の人は
「コロナ禍で(部活の)大会がなくなってしまったので、今はできるようになってその分を取り戻したい」

街の人は
「ちょうど子どもが生まれた時くらいに新型コロナがはやっていた時期だった。普通に人と会えるようになってよかった。子どもと触れ合える場所に行ったりテーマパークに行ったりすることが増えた」

 私たちの生活を一変させた新型コロナウイルス。かつての日常が戻りつつある一方、この5年で得た経験を次なる脅威への備えにつなげていく努力も求められています。

最終更新日:2025年3月6日 17:28
山梨放送