【特集】バルサにビルバオ…同年代の欧州強豪と対戦 「大きな経験」選抜チーム主将の決意 山梨
■体も頭もハードに チーム力を醸成
チームが参加するのは8人制の「TIC TAC CUP」。「小学生年代のチャンピオンズリーグ」とも呼ばれる、世界最高峰の大会に挑める貴重なチャンスとあって、9月のセレクションには90人を超える児童が参加しました。
10月の合宿で、チームは始動。
込山雄奨監督
「選ばれた選手は精いっぱい楽しくサッカーをして、12月に向けてしっかりいい準備を皆さんでできたらと思う」
セレクションを勝ち抜いた5年生10人で選抜チーム「UNLIMITED GOALS YAMANASHI」を結成。
普段は別のクラブやスポーツ少年団で活動する一方、10人は一緒に集まって練習を重ね、2カ月かけてチームづくりを進めてきました。
身体的にハードなトレーニングはもちろん、日本とは違うルールの理解も求められ、子どもたちは体も頭も徹底的に鍛え上げました。
厳しい練習で、ひと際ひたむきな姿勢を見せていたのが、FCグリュックに所属する高橋結人選手(池田小5年)です。
高橋選手
「体力がないときにどれだけやれるか。今回(の練習)は体力面で課題が出たので、ハードにやっていきたい」
■主将に任命 その理由は
大会まで3週間を切った12月1日。選手たちが待ちに待ったユニホームを手にする中、込山監督から大切な発表が。
主将に、高橋選手を指名しました。
込山監督
「サッカーでもサッカーでなくても、つらいとき、大変なときはたくさんある。そのときに何ができるかはすごく大切。合宿の2日目はすごくきつくて、泣いている選手もいて、コーチが話したときにみんな下を向いていた。結人(高橋選手)は先頭に立って『みんなで話をしよう』と声がけをしてくれた。それがキャプテンにした理由」
高橋主将
「キャプテンをやらせてもらえるのはすごくうれしい。その分責任を持って、みんなを勝たせたい。みんなで勝っていきたい。頑張りましょう」
高橋選手に託された、キャプテンマーク。
14日、チームは初めての対外試合に臨みました。J1・鹿島アントラーズの下部組織とはトータル1-5。東京の強豪「MITA SC」とは5-5という結果に。
高橋選手はプレーへの手ごたえと同時に、課題を感じていました。
高橋主将
「ちょっと緊張した。キャプテンとしての責任がちょっとまだ薄れていた。もうちょっと声を出して、みんなを引っ張っていく」
かつてないハイレベルな相手を想定するからこそ得られる「気付き」と、それを補っていく意識―。
「UNLIMITED GOALS」の大事な目的の一つです。
■仲間と団結 世界最高峰の舞台へ
18日、チームは期待を胸にスペインへと出発しました。
高橋主将
「今から大きな経験をするので楽しみ。鹿島の試合で責任感、声出しに課題があったので、スペインでは発揮できるように、責任感を持って取り組みたい。試合を重ねるごとに団結力も高まっていった。チームスポーツなので、みんなともっとコミュニケーションをとりながら臨みたい」
山梨から、世界最高峰の舞台に挑む小学生たち。その戦いの向こうに、さらなる成長が待っています。
チームは大会初日の20日から始まるグループステージで、FCバルセロナやアスレティック・ビルバオなどと対戦します。
(YBSワイドニュース 2024年12月19日放送)