ACLの経験を糧に昇格を 甲府がJ2開幕戦へ 山梨県
23日午前のトレーニングでは、気温が5度を下回る時間帯でもチームは入念に準備を進めていました。
海外の強豪に挑み続けたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)。J2勢初のノックアウトステージ(決勝トーナメント)に進むものの、21日に敗退が決まりましたが、ACL2度の優勝を誇る蔚山現代FC(韓国)とぶつかり合った公式戦2試合は、真剣勝負の中でしか得られない経験となりました。
篠田善之監督
「あの強度とスピードの中でどういう判断とクオリティーを出し続けるか。それはJ2リーグでも同じだし、どの相手でもあの基準でやろうと。選手自身が感じたことが全て。年間通し、常にそこに立ち返れる基準ができたことは非常によかった」
アジアの真の強さを肌で感じたイレブン。昨シーズンの主力の多くが退団したものの、頼もしい戦力も続々と加入しています。篠田体制2年目も変わらず4-2-3-1のシステムがベースとなりますが、補強の最大の目玉は攻撃陣。
ワントップに入るファビアン・ゴンザレス選手は、高さ、速さ、強さを兼ね備えるストライカー。ACLでは堅守を誇る韓国の強豪に十分な脅威を与えました。
左サイドハーフに入るアダイウトン選手も、パワフルかつスピーディーに、敵陣へ突進。今シーズンのサイド攻撃の、象徴的なアタッカーとなります。
激戦区・ボランチで猛アピールするのが、J1横浜F・マリノスから加入した23歳の木村卓斗。ボールを奪い取る力、自ら前進していく力に長けます。
守備陣では南アルプス市出身の今津佑太選手が4シーズンぶりに復帰。果敢なプレーと闘争心で、最終ラインを統率します。
このほか、長らくヴァンフォーレで戦う選手たちも、各ポジションで競争を繰り広げ、チーム力を高めてきました。
今シーズン序盤は、昨シーズン下位に低迷したクラブとの対戦が続きます。甲府としては、堅守速攻で開幕ダッシュに成功したいところです。
21日のACL蔚山戦で長時間出場した選手は23日、疲労を考慮して軽めの調整にとどまりました。しかし、グラウンドには別メニューに励む選手たちを最後まで見守る関口正大主将の姿がありました。
関口主将
「ACLで感じたことはそうそう体験できることではない。その経験を生かさなければいけない使命感が強い。(練習の)ゲームでもスピード感を意識して全員やっていた。今まで通り声援を送っていただければ選手たちはピッチで恩返しするだけ。J2優勝、J1昇格のためにしっかりプレーしたい」
篠田監督
「気を張り詰めて自分たちはこのゲーム(開幕戦)に向かう。最後まで諦めない姿勢は変わらず年間通してやっていく。どのゲームでも真摯にサッカーに向かってみんなで一つになって前進したい」
甲府は25日にJ2開幕戦として、アウェーで徳島ヴォルティスと対戦します。