【もうすぐ紅葉シーズン】京都市のオーバーツーリズムで新対策 観光客の安全と地元の暮らしの両立は?
紅葉シーズンが近づく京都ですが、頭を悩ませるのが混雑や渋滞などのオーバーツーリズムの問題です。京都の観光地で始まる取り組みを取材しました。(取材・報告=藤枝望音 記者)
10日、嵐山では…
藤枝望音 記者
「秋の紅葉シーズンは、まだまだこれからですが、嵐山は10日も国内外から多くの観光客が押し寄せています」
混雑は、観光客と周辺住民の双方にとって大きな課題です。
京都市 歩くまち京都推進室・青柴勝 課長
「非常に多くの方に来ていただいているのはありがたいことなんですけども、 逆に、来ていただきすぎて、満足度が下がっているんじゃないかな」
周辺住民
「商売されている方はいいですけど、一般の人は歩くのも不便」
そこで、京都市が混雑対策として打ち出したのが、こちらのAIカメラ。人の流れを24時間把握し、混雑の時期や時間を特定します。
京都市 歩くまち京都推進室・青柴勝 課長
「データを取ること、見える化・可視化することで、今後の交通規制や警備の配置、政策的に人員をどこに配置するかとかに いかしていきたい」
さらに、京都市が乗り出した新たな混雑対策。果たして、その効果は?
藤枝望音 記者
「観光客が歩道から車道にあふれてしまっています」
紅葉シーズンが間近に迫る嵐山。早くも混雑が課題になっています。そこで紅葉の見ごろを迎える11月下旬ごろから土日に行われてきたメイン通りの一方通行を、平日も含めて実施することに。(11月18日~12月1日 午前10時~午後5時)
さらに土日・祝日には車両の通行を完全に禁止し、歩行者専用道路となります。
この対策は昨年から行われていて、周辺住民からは安全面でよかったという声が多い一方…
嵐山商店街会長 石川惠介さん
「土日だけならまだしも、平日も(一方通行を)やられちゃうと、病院に行くとか、お買い物に行くとか、本来乗りたいバスに乗れない」
交通規制によって生活に支障が出るという意見もありました。
そこで新たに始まるのが住民専用、無料の乗り合いタクシーです。一方通行の時間帯にバスのルートが変わって不便になった住民を近くのバス停まで運びます。
停留所は10か所。10日、関係者で乗り合いタクシーの試乗会が行われ、バス停の位置や課題を確認しました。一方で、継続性に対する不安の声も。費用の半分は市の補助金が使われますが、残りの半分は地元の商店街などで負担しなければなりません。
周辺店舗の人
「財源がどうなるのかっていうのが一番問題ですね。継続は物理的に難しいと思うんです」
まもなく始まる紅葉シーズン。観光客の安全と地元の暮らしを両立した対策が求められています。