【速報】山形県産シャインマスカットを長野県産に偽装、ふるさと納税の返礼品に 和歌山県の業者

農林水産省近畿農政局などは18日、和歌山県有田市の業者が「山形県産」のシャインマスカットを「長野県産」と産地偽装するなどし、ふるさと納税の返礼品として販売していたと発表しました。
近畿農政局などによりますと、和歌山県有田市の「日本グルメ市場」は、2019年9月から2023年10月までの間、山形県産のシャインマスカットと認識しながら、発送箱に「長野県産」と表示し、合計約11トンをふるさと納税の返礼品として、長野県須坂市に販売。
さらに、長野県長野市や中野市、千曲市でとれたシャインマスカット約14トンについても、「長野県須坂市で収穫されたフルーツ」として販売したということです。
■混在した返礼品は約1万件 寄付金額は約1億2000万円
総務省によりますと、須坂市のシャインマスカットの返礼品は2019年度からの6年間で約7万7000件、総額約10億円の寄付金が集まっていましたが、産地偽装されたシャインマスカットが混在したのは約1万件相当、寄付金額は約1億2000万円にのぼります。
去年10月以降、近畿農政局などが「日本グルメ市場」に立ち入り検査を実施し、産地偽装が発覚。その後、会社側から須坂市に連絡が入り、市はすでに当該の返礼品の募集を停止しています。
■業者側「正しく表示する認識が欠如していた」他の自治体の返礼品も取り扱い
会社側は近畿農政局に対し、事実と異なる表示をしたことを認めた上で、「シャインマスカットのほとんどが長野県産だったので、原産地を正しく表示しなければならないという認識が欠如していた」と説明しているということです。
農林水産省は、食品表示法に違反するとして、適切な表示をするよう是正し、原因や再発防止策を講じて報告するよう行政指導を実施したということです。
同社は、須坂市のほかに複数の市町村のふるさと納税の返礼品も取り扱っているということで、国への報告に問題があった場合、近畿農政局は追加で検査する可能性もあるとしています。