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【困惑】受験直前に名門予備校『ニチガク』が突然の“閉鎖” 「先生も逃げ出し、生徒も減っていた(閉鎖は)秒読み状態だった」「全額返金されないと許せない」生徒や講師からは不安と怒りの声…いったい何が?

2025年1月14日 8:00
【困惑】受験直前に名門予備校『ニチガク』が突然の“閉鎖” 「先生も逃げ出し、生徒も減っていた(閉鎖は)秒読み状態だった」「全額返金されないと許せない」生徒や講師からは不安と怒りの声…いったい何が?
名門予備校『ニチガク』が突如閉鎖

 大学入学共通テストが迫り、受験シーズンを迎える中で、突然閉鎖した大学受験の予備校『ニチガク』。勉強の場を失い混乱する生徒たちからは不安や怒りの声が上がっています。今、名門予備校でいったい何が起こっているのか?亀井正貴弁護士の解説です。

■40年以上の実績がある名門予備校が突然の閉鎖で生徒は困惑「前払いで250万円払った」 さらに講師への給与も未払いで「(閉鎖は)秒読み状態だった」

 予備校の激戦区である東京・西新宿で40年以上の実績がある大学受験予備校『ニチガク』。生徒数は約130人ですが、2025年1月4日に突然、教室が閉鎖になりました。2023年の大学合格率は全165人中155人が合格で、合格率は93.9%を謳い、東京大学へは9人、早稲田大学には28人、慶應義塾大学には16人も合格者を出しています。

 『ニチガク』の運営会社の代理人弁護士によると、生徒数の減少などで資金難となり、2024年12月の時点でかなり厳しい状況になったといいます。負債総額は1億円で1週間~10日以内に破産申し立てをしています。

 2025年1月18日からは大学入学共通テストがあり、突然の閉鎖に受験生らは困惑。

(高校3年生)
「指導とかは別にいいから(勉強する)場所だけでも欲しかった」

(高校3年生)
「倒産する雰囲気とかなくて、いきなり終わってショック。不安は大きい」

(2024年12月から通う高校2年生)
「受験前までの前払いで250万円ちょっと一括で払った。2か月目以降は一日も行っていないので、全額返金されないと許せない」

(『ニチガク』の非常勤講師)
「半年以上前から危ないだろうと内々では言っていた。先生も逃げ出し、生徒も減っていた。給与支払い遅延が始まっていたから(閉鎖は)秒読み状態だった」

(『ニチガク』非常勤講師)
「(講師の間で)『この塾、この会社、大丈夫なんですかね』という話は数か月ぐらい前からあった。他の生徒との間に差をつけられる不利な状況を作ってしまった。受験生どうすればいいんだ」

 閉鎖の際、『ニチガク』からの連絡は無く、さらに講師への2024年11・12月分の給与は未払いだといいます。

 さらに今、学習塾の倒産が相次でいるといいます。2000年以降倒産件数が53件と過去最多に。倒産の要因は、コロナ禍に広がったオンライン塾など、「学習塾」の形態が多様化し競争が激化。オンライン上の無料コンテンツも新たな脅威になっているといいます。少子化の中、今後も倒産・休廃業が増える恐れもあるとのことです。

■「自転車操業状態でも経営を続けることができれば、『詐欺罪』の立件は難しい」 講師の給与や生徒の授業料返金はどうなる―?

 2024年10月にも塾生を募集していたこともあり、経営難を隠して資金集めの指摘もある中で、『詐欺罪』の可能性について、亀井正貴弁護士は「10月の時点で債務超過や損益計算上立ち行かない状態にあるかによる。たとえ給料の遅延などがあり、自転車操業状態でも経営を続けることができれば、『詐欺罪』の立件は難しい」と話しています。

 そして生徒たちの授業料の返金はどうなるのか?『ニチガク』の代理人弁護士によると、『(授業料の)返金や給与未払いについて見通しは立っていない。1週間から10日以内に破産申し立てへ調整している』といいます。

(亀井弁護士)
「一般的に破産すると資産は破産管財人によって管理される。まずは労働者の未払い給与の支払い、残りが生徒の授業料返金などへ。しかし資産がなければ返金されない可能性が高い」

Q.授業料の支払いが『クレジットカード』か『現金』かで、何か違いはありますか?
(野村修也弁護士)
「クレジットカードで一括払いの場合は簡単ではないですが、分割払いになっている場合は、クレジット会社に対して、支払いを止めることができるので、もし支払いを分割払いにしていれば、相談したほうがいいと思います。あと問題なのは、会社が破産になる前に、“債務超過の恐れ”という段階で、再生の手続きに入るというやり方もあるわけです。例えば銀行からの借金を少し減らしてもらったり、支払いのスケジュールを延ばしてもらったり、会社が再生する可能性がある場合、もっと早い内に手を打って、受講生のことを第一に、どうしていくのかを話し合うタイミングが、2024年の秋ごろにあったのではないかという気がしますので、そこが一番気になるところです」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年1月7日放送)

最終更新日:2025年1月14日 8:00