【深刻】あの人気観光地は今?住民大迷惑の『オーバーツーリズム』、2025年に訪日観光客はさらに増加!?逆に旅行に行くなら、おすすめはヨーロッパのアノ国「意外と物価安い」
2024年、日本を訪れた外国人観光客は過去最多に。観光客が急増し、日本各地で問題となった『オーバーツーリズム』。対策に追われる人気観光地の今後は?さらに2025年の旅行事情を航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏の解説です。
■「普段の生活に影響を及ぼす」有名観光地から無名だった場所まで…外国人観光客が殺到する『オーバーツーリズム』が社会問題に
2024年、日本を訪れた外国人観光客は過去最多の約3300万人。観光客が急増した結果、日本各地で問題となったのが『オーバーツーリズム(観光公害)』です。去年から顕在化したこの問題は、さらに深刻化しています。おなじみの観光スポットだけでなく、全く無名だった場所にも外国人観光客が殺到し、地元住民の生活が脅かされる事態に…。
そして富士吉田市にも大勢の外国人観光客が。お目当ては五重の塔と雪化粧した富士山、日本ならではの風情を一望できる『新倉山浅間公園』です。この絶景を収めようと、展望デッキは観光客で溢れ、紅葉シーズンは身動きができない程になるといいます。
2024年度の来訪者は、先月までで100万人を超え、過去最多を更新するペースです。ところが、地元住民は複雑な思いを抱えています。公園周辺は狭い道が多く、時間を問わず慢性的な渋滞が発生。レンタカー同士の交通事故が起きることもあるといいます。
(地元の人)
「やっぱり悪影響もありますね。朝の通勤の時間や帰りの時間帯、車が混んだりしたりとか。普段の生活に影響を及ぼすことは、多々ありますね」
(地元の人)
「いつも渋滞で止まっちゃいます。長いと10分とか待ちます」
さらに、こんな問題も―
(警備員)
「一番困るのはタバコのポイ捨て。警備が拾ってるんだよ。関係ないのに」
観光客によるポイ捨てや、私有地への立ち入りなどが後を絶たず、地元は頭を悩ませています。
(警備員)
「来てもらうのは嬉しいけど、ローソン(“コンビニ富士山”)のこともあるけど、近隣住民が迷惑している部分があるから、マナー良く帰ってくれればいい」
市は、周辺に最大20人ほどの警備員を配置し、2024年11月にも新たに整備した駐車場の運用を開始しました。それでも増加する観光客に対応が追い付かず、公園の入園料徴収など、新たな対策を検討しています。
そして“スラムダンクの聖地”である、神奈川県鎌倉市の江ノ島電鉄・鎌倉高校前駅付近の踏切は、元々聖地巡礼で人気のあった場所ですが、2024年4月に中国で映画版が公開されたこともあり、そこから爆発的に観光客が増えたといいます。車道を占拠して撮影する人や、周辺住宅の敷地での飲食や、ゴミのポイ捨てなど、様々な迷惑行為があり、住民から、市や警察に苦情が寄せられています。
2017年から、週末には交通誘導員が一人配置されていましたが、2023年9月からは平日にも配置するようになったといいます。しかし、それでも足りず、2024年4月からは2人態勢となりました。さらに迷惑行為への新たな対策として、2024年12月6日から防犯カメラの運用も開始し、24時間態勢で踏切周辺を録画しているとのことです。
■2025年には大阪万博や中国人の訪日ビザ緩和で「訪日観光客はさらに増加する」?各自治体『オーバーツーリズム』対策として、“増税”を検討
様々な対応に追われる主な人気観光地ですが、箱根を含む全国20か所は『オーバーツーリズム』の先駆モデル地域に指定されていて、国から8000万円の補助金が出ています。2025年2月まで試験的に渋滞対策などを行っていくとのことです
そして北海道・ニセコ町ではスキー場のリフト券が1万500円になり、2024年より1000円の引き上げになっています。
そして今後、旅行にかかるお金が高くなると言われています。
まず『宿泊税』ですが、現在、日本国内で13の自治体で導入、または50を超える自治体が導入を検討しているということです。税額は、地域や宿泊料金により変わりますが、一人一泊当たり100円~2000円という幅になっています。
世界自然遺産の『西表島』で知られる沖縄・竹富町は、一回の訪問で、『訪問税』として1000円の徴収を検討しているといいます。2023年に導入された広島・宮島では、フェリーに乗る際に一人100円を支払うことになっています
さらに『入湯税』も上がります。現在、全国的に標準は150円ですが、静岡の伊藤温泉では、2025年10月からは、倍の300円に引き上げるといいます。
兵庫の世界遺産『姫路城』では、『入城料』が大人(18歳以上)は1000円だったのが、2024年12月6日の改訂案で、市民以外は2000円~3000円になりました。
そして山梨県側の富士山の『入山料』も、2024年の夏から徴収が始まり、2000円だったのが、2025年からは4000円にすると発表しました。そして静岡県側の『入山料』も、2025年から4000円にすることを検討しているといいます。
2025年の旅行はどうなっていくのでしょうか?航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏によると、「来年は大阪万博や中国人の訪日ビザが緩和されるとみられ、訪日観光客はさらに増加するはず。一方、日本人の海外旅行も増えると予想。ヨーロッパの中では意外と物価の安いイタリアがおすすめ」と話しています。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年12月25日放送)