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【迷惑】「ボケーッ!」「バーカ!」駅員の対応に“撮り鉄”から罵声の嵐!?ルール違反や危険な行為は、外国人観光客も…罪に問われるケースもある相次ぐ迷惑行為に専門家提言「軽い刑になっているのを少し考えないといけない」

2024年12月16日 17:00
【迷惑】「ボケーッ!」「バーカ!」駅員の対応に“撮り鉄”から罵声の嵐!?ルール違反や危険な行為は、外国人観光客も…罪に問われるケースもある相次ぐ迷惑行為に専門家提言「軽い刑になっているのを少し考えないといけない」
“撮り鉄”や観光客による迷惑行為

 鉄道車両などの撮影を楽しむ鉄道ファン、いわゆる“撮り鉄”や外国人観光客による迷惑行為が相次いでいます。駅員への罵声や線路への立ち入り、走行列車間際での撮影など、後を絶たないルール違反や危険行為…。法的にはどんな罪になる可能性があるのでしょうか?専門家による解説です。

■列車の“ハイビーム”に「ボケーッ!」「バーカ!」 “撮り鉄”たちによる相次ぐ迷惑行為、中には罪に問われたケースも…

 2024年11月7日、JR横浜駅のホームに集まっていたのは、たくさんの鉄道ファン、いわゆる“撮り鉄”です。引退が決まっている車両が急きょ走ることになり、大勢の“撮り鉄”たちが押し寄せましたが、ここでトラブルが発生しました。

(アナウンス)
「下がってくださーい!下がってくださーい!」

(“撮り鉄”たち)
「もうちょっと前行け」
「下がれ、一旦、下がれ!」
「痛い痛い!押すなって!」

 現場で動画を撮影していた人によると、この日ホームに集まったのは50人以上。

(動画撮影者)
「撮っている人たちの中に、黄色い線から出ている危ない撮り方をしている人が一定数いて、その人たちに駅員さんがアナウンスで『下がってください』と…」

 そんな中、“駅員のある一言”が、“撮り鉄”たちに火を付けました。

(アナウンス)
「撮影ルールを守っていただかないと、“ハイビーム”のままですよ。お願いしますね」

すると、“撮り鉄”たちは…。

(“撮り鉄”たち)
「ボケーッ!」
「下げてから行けー!」

 アナウンスの“ハイビーム”という言葉を聞いて、一斉に罵声を上げ始めました。この言葉に、なぜこんなにも怒りをあらわにしたのでしょうか?

(動画撮影者)
「(ハイビームだと)光が強いので、写真が光っちゃうんです。それで、ちゃんと電車が写らなくなる」

 『JR東日本』の担当者によると、「通常ハイビームでの走行だが、運行上、支障がある場合はロービームにすることがある」といいます。中には「(黄色い線から)離れろ!」と注意を促す人もいましたが、その後も“撮り鉄”たちは点字ブロックの内側に下がることはなく…。

(アナウンス)
「ちゃんとルールを守らないとハイビームのままですよ。お願いします」

(“撮り鉄”たち)
「じゃあ下げろよー!」
「バーカ!」

 一部の“撮り鉄”たちが暴言を吐き続け、それに対し「うるさい!」「迷惑!」と注意する人たちで、現場はさらにヒートアップしていました。

 “撮り鉄”によるトラブルは、群馬でも―。

 線路沿いに集まる人だかりのお目当ては、人気の電気機関車『ELぐんま』です。2024年11月23日、“ラストラン”が近づく『ELぐんま』の車内から撮影された映像には、走る列車を撮影しようと、たくさんの“撮り鉄”たちが線路沿いに集まっている様子が映っていました。

 すると突然、列車が急停車。その脇には、線路内にまで侵入し、撮影をしている“撮り鉄”たちの姿がありました。走る列車の間際まで接近し、危険極まりない行為です。その後、猛ダッシュで逃げ去っていく様子も映っていました。

 『JR東日本』によると、『ELぐんま』のラストランだった11月23・24日は、両日とも線路内への立ち入りがあり、緊急停車を行ったといいます。このような行為に対し、『JR東日本・高崎支社』の広報は「線路内に入るのは、大変危険なのでやめていただきたい。ルールを守って撮影をお願いします」と話しています。

 “撮り鉄”の危険行為をめぐっては、罪を問われるケースも発生しています。2024年3月、SNS上で拡散された写真には、線路内に侵入し『特急やくも』の車両に抱き着いたりする様子が写っています。

 警察は、鳥取県内の駅構内に正当な理由なく立ち入ったなどとして、『鉄道営業法違反』などの疑いで、兵庫県と神奈川県に住む10代の男子高校生2人を家庭裁判所に書類送致しました。2人は“撮り鉄仲間”で、いずれも容疑を認め、「反省している」といいます。

 『JR西日本』の担当者は、「写真のような行為は、転落する可能性もあり、大変危険な行為。安全・安心な鉄道を運行するためにも、絶対にやめていただきたい」と話しています。

■外国人観光客による線路内侵入も問題に…専門家指摘「科料で軽い刑になっているので、少し考えないといけないかもしれません」

 そして、線路での撮影は、外国人観光客の間でも問題になっています。

 山梨県富士吉田市の富士急行線沿いで、踏切付近でカメラを向ける外国人観光客。その先には、雪化粧が美しい富士山が―。

 すると、カメラを向けたまま線路内に侵入し、そのまま数分間、撮影を続けていました。周辺住民によると、特に富士山がきれいに見える朝方に、線路内に立ち入る外国人観光客が多いといいます。

 実際に、SNS上では、富士急行線の線路内で撮影したとみられる写真の投稿も。富士急行線を運営する『富士山麓電気鉄道』は、英語や中国語の看板などで注意喚起をしています。

 では、これらの行動の法的問題はどうなるのでしょうか。無断で線路内に立ち入った場合、「鉄道営業法」37条で、1万円未満の科料(罰金等臨時措置法を適用)。また、「軽犯罪法」1条31号では1日以上~30日未満の拘留、または1000円以上~1万円未満の科料となります。元大阪地検・検事の亀井正貴弁護士によると「運行の遅延があった場合、鉄道会社が遅延の原因となった人物に損害賠償を求める可能性はあり得る」と話しています。

Q.損害賠償になった場合、電車によっては、すごい金額になりますよね?
(野村修也弁護士)
「ものすごい金額になります。鉄道の交通を妨げると、もっと重い罪になる可能性がある。ただ、何も鉄道を妨げずに線路に入っただけだと軽い罪ですが、罰金はこれでいいのかという問題はあると思う。科料で軽い刑になっているので、少し考えないといけないかもしれません」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年12月3日放送)

最終更新日:2024年12月16日 17:12