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【独自解説】ウソ連発に怒りの追及! 経済アナリスト森永康平氏が“投資詐欺”勧誘の現場に潜入 詐欺師の逆切れで暴行被害に!“自分の偽アカウント”にも接触 本人がその一部始終を生解説

2024年2月17日 10:00
【独自解説】ウソ連発に怒りの追及! 経済アナリスト森永康平氏が“投資詐欺”勧誘の現場に潜入 詐欺師の逆切れで暴行被害に!“自分の偽アカウント”にも接触 本人がその一部始終を生解説
詐欺師と接触した“森永康平扮する”戸柱康晃氏

 過去10年で最多の認知件数を数える特殊詐欺ですが、経済アナリストの森永康平氏が自身の名前を騙って「投資詐欺」を繰り返す“偽・森永”に直接コンタクト!さらには、別の詐欺師を追及する中で暴行沙汰に巻き込まれるなど、まさに体を張って詐欺師と直接対決しました!そこから見えた「だましの手口」と「正しい対処法」とは!?森永氏本人と犯罪ジャーナリストの石原行雄氏が解説します。

本人が変装して接触に成功!森永親子を騙るSNSの偽アカウント

 実際に森永卓郎氏・康平氏親子を騙るSNSの偽アカウントによって億単位の被害が出ているといいます。ちなみに父親の卓郎氏はSNSを一切していないということです。

Q.極悪親子みたいになっていますね?
(経済アナリスト森永康平氏)
「そうなんです。なので、私の会社に『お前もう訴えるからな!』という怒りのメールが毎日のように届いていて、『私じゃないですよ』と伝えても、分かってもらうまで何回かやりとりしないといけないという状態です」

 偽・森永康平氏のアカウントによる投資詐欺に遭った被害者から相談を受けたことをきっかけに、SNSを通して詐欺師に接触、偽名の“戸柱康晃”として直接会うことになりました。会ったのは、営業マン(詐欺師)です。30~40代のビジネスカジュアル姿で、それなりの金融知識とマニュアルトーク、金融のプロが作ったものと遜色のない資料も持参していました。

Q.怪しいイメージはなかったのですか?
(森永氏)
「正直なところ、本当に特徴がなく、全然怖い人だとか怪しい人という印象はなくて、このイラストより柔和というか、特徴のない感じの人でした」

 詐欺師は2つの投資ファンドを勧めてきました。一つは「ミャクミャク」という投資ファンドで、「大阪・関西万博関連の銘柄ですよ。毎月5%近い配当です」ということでした。二つ目は「オズプロジェクト」という暗号資産(仮想通貨)の関連銘柄で、「最新AIが運用して、年間期待リターン30%」という話でした。

Q.普通はこういうファンドは証券会社が入って作ると思いますが、この人物は儲かったら手数料をくれとかいう話はするのですか?
(森永氏)
「基本的には『運用してあげるので、指定した口座にカネを振り込んでくれ』と言ってきて、大体は振り込むともう一切連絡が取れなくなって、カネも引き出せなくなるというのがだいたいの手口です」

 そして、森永氏は“偽・森永康平”主催の極秘LINEグループに“戸柱”として潜入に成功しました。実際に、偽・森永からいくつかの銘柄を推薦されたということです。その後、「電話で話したい」と送ったところ、音信不通になってしまったということです。その後、森永氏が警察に相談したところ、自分自身が詐欺の被害者ではないこと、肖像権の侵害のみだと警察は動きづらいということでした。また、偽アカウントの情報について開示請求する場合、警察ではなく自分で手続きする必要があり、手間がかかるということです。

Q.本人が被害者じゃないと警察も動きづらいんですか?
(森永氏)
「私自身は、写真を使われたくらいの被害なので、その程度だと警察は動けないです。なので『実際に被害に遭って金銭を取られ人が被害届を出して、LINE社には弁護士を使って開示請求をしてください』と言われました」

 森永氏は、格闘技の試合に向けて減量し、9ケ月で20kg減量しました。森永氏は格闘技を始めてリングで戦うワケを「格闘技を始めれば、政治経済に興味のない若者にも自分の声が届くのでは」と語っています。また、詐欺師と闘うワケは、「被害者が多く問い合わせが急増している」ことと「被害者には退職金をだまし取られている人もいて、黙っていられないと思った」からだそうです。

学生を救うため詐欺現場に介入 詐欺師の逆切れで暴行被害に!

 また、森永氏は現役大学生から「投資話の営業マンとカフェで直接会います。横で話を聞いてもらって詐欺であれば介入して欲しい」と言われ、“戸柱”に変装して近くの席でこっそり話を聞くことになりました。営業マン(詐欺師)は30~40代でビジネスカジュアル、“仲間感”を前面に出したカジュアルでフランクな語り口だったといいます。

 その男は「8~9割の確率で儲かる」「奨学金を返した例もある」「まじめに働くのがバカらしくなるよ」「他のみんなも儲けて、外車やブランド品を買って楽しくやっているよ」などと勧誘してきたそうです。

Q.こういう営業マンや偽・森永を騙る人物はどういう人物なんですか?
(犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏)
「詐欺犯罪は、基本的に単独犯よりも組織犯罪、複数犯のケースが多いです。なおかつ、その背後関係も複雑で、例えば暴力団や半グレだとかの指示を受けて詐欺をはたらいている可能性もありますので、個人で追っていくのは無理があります。現場にノコノコ出てくるのは“手駒”で上納金のノルマが課されていて必死ですので、暴行など、より危険な目に遭う恐れがあります」

 森永氏が「詐欺ですよね!?そんなうまい話はない!」と介入すると「外に出て話を付けよう!」と言われ店の外で暴行を加えられたといいます。

Q.実際に殴られたりしたのですか?
(森永氏)
「実際は、胸ぐらをつかまれて後ろの壁のようなところに結構叩き付けるような感じでした。学生と話しているときはすごく優しそうなお兄さんという感じだったんですが、いざ『詐欺だ』と突っ込まれると、急変した感じです」

Q.一般の人は、「あなた詐欺師ですよね」とは絶対言ってはダメですよね?
(森永氏)
「そうですね。私もやらない方が良かったと思います」

 森永氏は、「必ず」という言葉には最大の警戒を。現金を動かす前に一度立ち止まって考える。詐欺師から直接交渉で金を取り返す行動は危険!詐欺被害の回復にはさらなるコストが必要と理解すべき。と提言しています。

Q. 「『必ず』という言葉には最大の警戒を」とはどういう意味ですか?
(森永氏)
「そもそも、元本が保証されているということを金融機関以外が言うのは基本だめなので、『損しない』とか『絶対儲かる』とか言い出したら詐欺だと思ってください」

Q.「詐欺被害の回復には更なるコストが必要と理解すべき」とは?
(森永氏)
「実際に詐欺師から取り返そうとなると、情報開示をするために弁護士に頼むとまた費用が掛かりますし、裁判を起こすとなるとその費用も掛かるので、一度引っかかると騙された金銭プラス裁判費用や調査費用も掛かってしまうので、まずは詐欺に遭わないことが何よりも大事だということです」

Q.詐欺に遭うともう取られた金銭は取り返せないのでしょうか?
(石原氏)
「そうです。そこは素人にできることはありませんので、警察に頼るしかないというところです」

Q.今は新NISA、日本の株高など詐欺師にとって好機だということですが?
(森永氏)
「そうですね。今丁度おいしい話を持ってこられてしまうと、多少怪しいと思ってもやっぱりそれにすがりたくなってしまう経済状況もあるので、詐欺師からすると今は営業どきなんですよね」

Q.我々が引っかからないためには何をしたらいいのでしょうか?
(石原氏)
「なかなか難しいのですが、一呼吸おいて即答しないなど、即断しないことが大切です。被害に遭うと取り返したいと焦って偽弁護士や悪徳弁護士などの別の詐欺に遭うこともあるので注意してください」

(「情報ライブミヤネ屋」2024年2月14日放送)