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外国人観光客“受け入れ”再開へ 期待の声と不安の声

2022年5月30日 22:13
外国人観光客“受け入れ”再開へ 期待の声と不安の声

6月10日から、新型コロナウイルス対策で中止している外国人観光客の受け入れが再開され、インバウンド消費が再び動き出します。旅行会社では、日本への観光ツアーの問い合わせが急増するなど、期待が高まる一方で、不安を募らせる飲食店もありました。

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30日、日差しが降り注ぐ中、千葉・成田市でお土産をチェックしていたのは、4人のタイからやってきた観光客です。

実証事業で来日 タイ人観光客
「おお~らっきょ」

外国人観光客の受け入れ再開に向け、感染防止策などを検証するために行う「実証事業」の参加者です。

タイ人観光客
「2年3か月ぐらい日本に来なかったんですけど、楽しかったです」

新型コロナウイルス対策で中止している外国人観光客の受け入れ再開は6月10日からで、実に約2年ぶりとなります。添乗員付きのパッケージツアーで再開されます。止まっていた“インバウンド消費”が再び動き出すのです。

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ずらっと並んだカラフルな和柄の布。「布の街」日暮里の繊維街で、外国人好みの和柄を専門に扱うお店からも期待の声がありました。

ミハマクロス 浜口良行代表取締役
「世界中から(お客さん)来るんですけど、特に私のところはミャンマー。(1日で外国人観光客は)20~30人。多い時は50人。かごいっぱいで行列して、売れましたよ」

特にミャンマー人の民族衣装として、店の布が人気になりました。ただ、コロナ禍でインバウンドがなくなり、売り上げは例年の1割程度にまで激減しました。そのため、来月の外国人観光客受け入れ再開に大きな期待を寄せているのです。

浜口良行代表取締役
「(外国人観光客受け入れ再開は)、本当にうれしいですよ。だから今(和柄布の仕入れの)準備しています」

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旅行会社・JTBのシンガポール支店では、既に申し込みの動きがあり、日本への観光ツアーの問い合わせが約2倍に急増しました。特に人気の旅先を聞きました。


JTBアジア・パシフィック本社取締役 シンガポール支店長 藤本信さん
「(シンガポールは)常夏の国ですので『雪を見たい』。あとは『おいしいカニを食べたい』。“北海道”という言葉がこちらではブランド化されているような」

雪景色と食を楽しめる北海道旅行への申し込みが増えているといいます。

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旅行会社では、既に申し込みの動きがあります。JTBのシンガポール支店では、日本への観光ツアーの問い合わせが約2倍に急増しました。特に人気の旅先が北海道です。

日本で暮らす外国人
「(外国人観光客受け入れ再開で)家族も来日できて、会えるので、とてもワクワクしています」

売りは忍術を楽しめるおもてなし料理です。ただ、外国人観光客受け入れ再開を前に、大きな不安を抱えているといいます。

ウィルプランニング 横川毅代表
「我々、いま忍者不足に陥っています。キャストの忍者に関しては、(コロナ前の)5分の1の状況です」

外国人観光客がコロナ前と比べ2割ほどに減少したため、スタッフも削減しました。6月から募集を始めますが、人材育成の問題があるということです。