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ロシア軍・新司令官に「シリアの虐殺者」任命ナゼ?……大物の勲章「ロシアの英雄」 容赦ない無差別攻撃で“恐怖”植え付け

2022年4月12日 9:01
ロシア軍・新司令官に「シリアの虐殺者」任命ナゼ?……大物の勲章「ロシアの英雄」 容赦ない無差別攻撃で“恐怖”植え付け
部隊バラバラ…全体統括で制圧狙う

欧米メディアによると、ウクライナへの軍事作戦を統括するロシア軍の司令官に、ドボルニコフ氏が任命されました。容赦ない無差別攻撃をしたシリアでの戦績をかわれ、バラバラだった部隊をまとめる期待があるとみられます。市民への攻撃激化が懸念されます。

■生え抜きの軍人…大物の新司令官

有働由美子キャスター
「ロシア軍のドボルニコフ司令官が、ウクライナへの軍事作戦を統括する司令官に新たに任命されたと、欧米メディアが報じています。この任命によって、市民への無差別攻撃がより激しくなると心配されています。そもそもどういう人物なのでしょうか?」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「ロシアで最高の名誉という勲章『ロシアの英雄』が、胸元に付いています。2016年、プーチン大統領から与えられました。生え抜きの軍人です」

「ロシア兵が入院している病院の映像では、壁にはプーチン大統領や国防相と並び、ドボルニコフ司令官の肖像があります。これだけの大物です」

有働キャスター
「その大物をなぜ今、司令官として置いたのでしょうか?」

■部隊バラバラ…全体統括で制圧狙う

小野委員
「理由は2つ考えられます。1つは、バラバラの部隊の司令塔に、という点です。これまでロシア軍は部隊同士の連携がなく、作戦がちぐはぐだったり、混乱したりしていたと指摘されています。ただ今後は、東部から南部の広い範囲の制圧を狙っています」

「そのためには、全体を統括する司令塔が必要とみられます。ドボルニコフ司令官はこれまでウクライナ南部の制圧を着実に進めてきたので、そのまま全体の司令塔を担うことになったようです」

■露軍トップとしてシリア内戦を指揮

小野委員
「2つ目の理由は、シリアでの実績です。ドボルニコフ司令官はシリアの内戦で派遣されたロシア軍トップとして指揮を執り、成功を収めました。その実績をプーチン大統領はかっています」

「プーチン大統領は5月9日の戦勝記念日に勝利宣言を目指しているとも言われていますが、とすれば1か月もありません。実績のある司令官を据えて、制圧を急ぐ狙いもありそうです」

「シリアで市民への無差別攻撃を行いました。容赦なく人の上に空爆し、『シリアの虐殺者』とも言われています」

■マリウポリ以外でも「破壊」懸念

「ロシアの安全保障が専門の、防衛省防衛研究所の山添博史・主任研究官は『ドボルニコフ司令官の特徴は、空爆やミサイルによって無差別に破壊すること。それにより恐怖を振りまく狙いがある』と指摘しています」

「山添さんは『マリウポリの街の破壊はまさに典型。こうした破壊が他の地域へも広がることが考えられる。ドボルニコフ司令官の任命で指揮系統が整理されて、ロシア軍が強くなる可能性がある』とも話しています」

「ウクライナ東部の駅にミサイルが着弾し、50人以上が死亡しました。欧米メディアは、これもドボルニコフ司令官の作戦だったと伝えています。市民がいようが、容赦なく破壊するやり方と言えます」

有働キャスター
「今私の言葉は直接ドボルニコフさんに届かないですが、あえて言います。無差別攻撃で恐怖を煽って何かを支配できたとしても、それが続くことはありません」

(4月11日『news zero』より)

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