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中村歌六「一生修業」・「毎日が初日」 人間国宝に選ばれ、喜び語る

2023年7月22日 6:15
中村歌六「一生修業」・「毎日が初日」 人間国宝に選ばれ、喜び語る
人間国宝に認定された中村歌六さん
歌舞伎俳優の中村歌六(かろく)さん(72)が、重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定され、喜びを語りました。

現在、人間国宝に選ばれている歌舞伎俳優は、尾上菊五郎さん、片岡仁左衛門さん、中村梅玉さん、坂東玉三郎さん、中村東蔵さんの5人です。今回、歌六さんは、主役を支える重要な役を数多く演じてきたことが評価され、人間国宝に選ばれました。

記者会見で、歌六さんは連絡を受けた際のことについて「“それってもしかして俗に言う人間国宝ということですか”ってちょっと聞いてみたら“そうです”っていうので、びっくりしまして」と振り返りました。

また、知らせを受けた時、歌六さんは“あること”をしていたそうで、「実はですね、ソース焼きそば焼いていたんです。僕、そのとき。(妻が)“ちょっと電話かわって出て”って言うから“今もやし入れた瞬間だからダメ”って言ったんですよ。もやしが、やわらかくなっちゃうのが嫌だったので、ソース焼きそばをとるか、それ(人間国宝)をとるかということで…冗談ですよ、これは」と明かし、会場の笑いを誘いました。

また会見では、同じ播磨屋でともに芸に精進し、おととし亡くなった中村吉右衛門さんについても語り、「(中村)吉右衛門の兄さんは、前にほかの賞を頂戴した時なんかでも“お~お前よかったな、よかったな”って言って、本当に我がことのように喜んでくださるんで、その声が今回は聞けないかなと思うとちょっと寂しいですね。『一生修業』『毎日が初日』という精神の上で、真摯(しんし)に舞台を勤めていくのが、私にできることだと思っておりますので、まだまだ気持ちだけは若く頑張ります」と話しました。

歌六さんは、1950年10月14日生まれ。1955年9月、四代目・中村米吉を名乗り初舞台。1981年6月、五代目・中村歌六を襲名しています。

(7月21日放送『news every.』より)