風の谷のナウシカ『腐海』の造形作家が込めた思い “気持ち悪い、怖いものの中に美しさがある”
■ジブリ作品の“設計図” 絵コンテなどの貴重な資料が展示
展覧会では、1984年に公開された『風の谷のナウシカ』から2020年の『アーヤと魔女』まで、スタジオジブリのほぼ全作品の絵コンテが展示されています。このエリアでは、ジブリ作品の歴史を映画の名シーンとともに振り返ることができます。
■まるで“主人公” ポスターの中に入りこみ撮影できる空間
さらに会場には、スタジオジブリ作品の主人公になった気分を味わえるスポットが設置されています。名作のポスターの中に飛び込んで、主人公のように撮影できる新しいフォト空間『ジブリ映画ポスタースタジオ』です。
『魔女の宅急便』(1989年)をはじめ、『もののけ姫』(1997年)、『千と千尋の神隠し』(2001年)、『猫の恩返し』(2002年)などのポスターのスタジオがあり、作品の主人公の気分を楽しむことができます。
■風の谷のナウシカ『王蟲の世界』 造形作家を取材
さらに暗闇を進んでいくと『風の谷のナウシカ』で登場する『腐海』と呼ばれるエリアが広がっています。様々な生き物が生息する中で、ひときわ目を引くのが『王蟲』というキャラクターです。展示された『王蟲』は、全長約8.5メートル、高さは約3.8メートルもあり、今にも動き出しそうな迫力があります。
制作に携わった造形作家・竹谷隆之さんは「宮﨑駿さんの絵や映画の絵のそのままというよりは、実際にあるんじゃないかって勘違いするようなものにしたかったので、実在感を大事にしました」と作品の世界感を守りながら“リアル”を追求したといいます。
細部にまで命が宿る『腐海』。来場者に伝えたいことを伺うと「自然の中の生物の形とか自然現象もよく観察すると“気持ち悪いもの”とか“怖いもの”も中には“美しいもの”とかが隠れてたりもするので、そういうことを感じ取っていただけたら」と語りました。
『金曜ロードショーとジブリ展』の東京展は9月24日まで開催され、10月7日から富山の『富山県美術館』でも開催される予定です。