島田CP語る DASH村は「僕らの実家」
東日本大震災から10年を迎えた今年——。TOKIOのリーダー・城島茂さんは日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!!』の企画で、後輩の岸優太さん(King & Prince)と森本慎太郎さん(Six TONES)を連れ、福島県浪江町を訪れました。そこには城島さんが「今でも自分にとってTOKIOにとって大事な場所」と位置づける「DASH村」が存在します。
城島さんは何を思い、何を後輩に託そうとしているのか。2008年から番組に携わってきた島田総一郎チーフプロデューサーがあらためてロケを振り返り、秘話を明かしてくれました。
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——企画はいつ芽生えたのでしょうか?
震災10年の年に、TOKIOの原点である「福島DASH村」の今を皆さんに伝えたい。それが城島さんの強い思いでした。今年のお正月に「あけましておめでとう」のやりとりを城島さんとしたときも「今年は“福島DASH村”に行って何か皆さんにお伝えできる、前向きなメッセージや僕らの思いみたいなものを発信したいんだよね」とおっしゃっていました。
——なぜ岸さんと慎太郎さんを連れて行ったのですか?
2人が今年、TOKIOと米作りを福島(の葛尾村)でやっていたこともあるんですけど、今、自分たちが教えてもらっていることは、TOKIOが「DASH村」で勉強して教えてもらったことで、君たちに渡しているバトンは、もっと他の先輩たちからTOKIOに渡されたバトンなんだよっていうことを一番に伝えたかったからです。
■DASH村は「僕らの実家」“都会生まれの子どもたち”を連れてきた
<約10年ぶりとなる“TOKIOのふるさと”への帰省。城島さんは、「感じはほんと変わらんね。でも、最初に来たときは20代やったもん。それが今、50代やで」と歴史の重みを振り返ります。ロケには若いスタッフも連れて行き、最後に母屋の前で集合写真を撮ったといいます。>
——「DASH村」に足を踏み入れたとき、島田さんは何を思いましたか?
そのときが今年の僕らの中でのクライマックスでした。僕らは実家に帰ってきた気持ちで。そして、その僕らの実家に“都会生まれの子どもたち”を連れてきたという感じでもありました。
——“子どもたち”の反応は?
「ここが家だったんだよ」「ここで本当は米を作っていたんだよ」「今、俺らが作っている米はもともとここで育った米だよ」と言うと、岸も慎太郎も感動するんですよね。
——城島さんはどんな感じでしたか?
リーダーは村に行くと感傷モードになります。いい言葉をすごく言うんですよ。岸は単純だからめちゃくちゃ感動して、偉人を見るような感じでした。先日も岸はKing & Princeのメンバーたちに城島リーダーのことを「あの人は偉人だから」って説明してました。笑
——印象に残っていることはありますか?
山口達也さんにも集合写真を送ったんですよ。そしたら達也さん、めちゃくちゃ喜んでくれて。「後輩たちも来てくれたんだ!すごく嬉しい。ありがとう」みたいな感じで。若いプロデューサー、若いディレクター、若い出演者にあそこを見せて、それを山口達也さんも喜んでくれたのがすごく嬉しかったです。
■受け継がれる思い…慎太郎はコーヒーを本気で作ろうとしています
<「DASH村」が誕生したのは2000年夏。TOKIOは1万2000坪の広大な荒地を耕すことから始め、田畑を作り、家を建て、生活の場を築き上げてきました。そして08年には南国の作物を寒さの厳しい村で作ろうと「南国ハウス」を組み立てます。ビニールハウスを薪のボイラーで温める画期的なシステムで、バナナやパッションフルーツの栽培に成功。マンゴーとコーヒーは育てている途中で震災が来てしまったため、収穫はかないませんでした。コーヒーの苗は小笠原諸島のコーヒー農家から譲り受けたもので、ずっと大切に育ててきたといいます。>
村を出る前に、城島さんは後輩たちへ「(今まで)震災で村へ帰って来られなかったけど、教えてもらった技術や知恵は終わっていなくて、次にいろんな場所でつながっていくから」と伝えていました。
「南国ハウス」を見せたら、岸も慎太郎も「新宿の(ビルの)屋上で作ったビニールハウスのシステムってもともとこれですか?」と聞いてきて、慎太郎は「コーヒーを『DASH島』で作りましょう。この続きをやりましょう」と言ってくれた。中断した企画も「もう1回一緒にやりましょう」と若手が言ってくれて、リーダーにもかなり火がついたというか。
——来年につながる企画も生まれそうですね。
慎太郎はコーヒーを本気で作ろうとしています。
——コーヒーは育てるのが非常に難しい植物ですが。
大変ですよ。でも「DASH村」でできなかったことをやりましょうよと。「DASH島」でコーヒーを作って飲みましょうよと。村で失敗したことができるのか分からないですけど、楽しみですよ。また苗をもらってコーヒーにチャレンジしても面白いのかなと思いますね。あのコーヒー農家の人にももう1回、会いたいし。ここ(=DASH村)でやっていたチャレンジの続きって、まだまだできるという気づきにもなったから、それを来年以降も視聴者の皆さんに絶対見てもらいたいなっていうのがありますね。