俳優の池松壮亮さん、伊藤沙莉さん、永瀬正敏さん、監督の松居大悟さんが公開中の映画『ちょっと思い出しただけ』の公開記念舞台挨拶に登壇。さらに、主演の伊藤さんが演じる葉（よう）とひょんなことから出会いを果たす男を演じる、お笑いコンビ・ニューヨークの屋敷裕政さんもMCとして登壇しました。

映画は、池松さんが演じる照明スタッフの照生（てるお）と、伊藤さんが演じるタクシードライバーの葉が別れた後から始まり、愛し合った日や喧嘩した日など、時が巻き戻されていきながら話が進んでいくラブストーリーとなっています。

印象に残っているシーンで、池松さんが「やっぱり屋敷さんのシーン・・・」と話すと、興奮した様子で「本当ですか！？嬉しい！」と大喜びの屋敷さん。続けて池松さんは「お二人（伊藤さんと屋敷さん）のシーンとか完成見て、すごくおもしろかったですね」と絶賛しました。

屋敷さんから「（僕と）一緒にやっててどうでした？」と聞かれた伊藤さんは「本当に自然でしたし、アドリブとかガンガン言ってきてたからすごい余裕だなって思ってたんですけど、そんな切羽詰まってるとは思ってなかった」と話しました。「俺はただしゃべってるだけ、みたいな」と屋敷さんが客席に向けて言うと、なぜか静まりかえる会場。その空気に耐えられず、屋敷さんは「は？なんやねん！映画の客はやりづれえな。お笑いの客と違って」と笑いながらつっこみました。

また、バレンタインデーが近いことからバレンタインの思い出の話になると池松さんは「聞こえはよくないやつは一つあるんですけど・・・」と話し始め、「バレンタインデーをフライングしてチョコレートをくれた人がいて、それが物心つき始めて恥ずかしすぎて、帰り道に空き地に投げたんですよ。家に持って帰って親に見せるのも食べるのも恥ずかしいし。なんかそこに、きれいな家が建ったんですよね、その後」と、屋敷さんも「なにその話・・・？」と言ってしまうような話を披露し客席からもクスクスという笑いが起こりました。

そこから「伊藤さんはどうですか？」と話を振られるも「そんな家が建ったみたいな話は・・・」と、池松さんの話に笑いが止まらない伊藤さん。笑いをこらえながら「あんまり素直な性格じゃなくて、好きって言いたいけどばれたくないみたいなのがあって。小学生のときに一生懸命チョコを溶かして作ったんですけど、いつ渡せばいいのかもわからないしとりあえず全員分作ろうと。それで、本命の人だけ中身を変えてみんなに渡したんですけど、本当に渡したい子だけ先に帰っちゃったので、家まで行って『これ、みんなに渡してるから』って言って渡した」と話し、順調に思えたバレンタイン。しかし、「次の日、『俺だけ中身ちがった？』って言われて、『いや、お前のだけ残り物で作った』って言って終わったっていう（笑）」と素直になれなかった当時を振り返り話しました。

そして最後は、その後何もなく「“好き”とも言えずに終わった」と明かしました。