光石研、12年ぶり主演映画で『カンヌ国際映画祭』に登場 「フランスの皆さんに伝わるのか不安」
ACID部門は、芸術的な作品を支援するために映画作家たちが創設したインディペンデント映画普及協会(ACID)が、1993年に独自に立ち上げ、作品選定・運営を行っており、30年の歴史を持つ同部門では毎年世界の先鋭的な9作品を紹介されています。2023年は約600作の応募作品から『逃げきれた夢』が正式出品作のひとつとして選出。2022年同部門に出品された山﨑樹一郎監督の『やまぶき』に続き、日本映画としては2年連続2作目となりました。
映画『逃げきれた夢』(6月9日全国公開)は、光石さんの故郷・福岡県北九州市を舞台に、人生のターニングポイントを迎えた中年男が、新たな一歩を踏み出すまでを描いた物語です。光石さんにとっては12年ぶりの映画単独主演作となり、実の父親である光石禎弘さんとも親子役で共演しています。
上映後に実施されたQ&Aでは、“実際の自分の経験が脚本に反映された役柄を演じてどうだったか?”という質問に対し、光石さんは「今回の『逃げきれた夢』では3つのポイントがありました。1つは実際の父と共演したこと。もう1つは故郷である街で撮影されたこと。3つ目が故郷ならではの方言を使ったということです。そこには“しゃあしい”というのが出てくるのですけど、果たしてこれがフランスの皆さんに伝わるのか不安ではあるのですが、僕にとっては心地いい経験でした」と答えました。
さらに、“なぜ光石を主演に本作を創り上げたのか?”という質問に、二ノ宮監督は「元々、映画が好きで、最初は自分も光石研さんのファンだったのですが、どうしても光石さんを主役に物語を作りたくて。光石さんに地元・北九州を一緒に案内していただいた時に、人生のお話を伺って作りました」と制作過程を明かしました。