将棋・藤井聡太八冠 「盤上で魅力のあるストーリーが表現できるように」 野間出版文化賞受賞
将棋界での活躍はもちろん、その活躍は出版界へも影響を与え、自身の対談本や、子供向けの将棋本、関連書籍を多数刊行している点が評価され、受賞した藤井八冠。
贈呈式の挨拶では「この度、野間出版文化賞をいただきましたことを大変光栄に思っています。近年では、対局が動画中継されることになったことに加え、AIにより形勢判断が表示されることで、本当に多くの方に将棋を見て楽しんでいただけるようになりました。それによって対局の指し手だけでなく、対局者のバックグラウンドであったり、対局中の食事、和服などさまざまなところにスポットライトがあたるようになったと感じています。そうした流れの中で将棋に関連する本や雑誌も多く出版され、インターネット上でも将棋に関するさまざまなことが発信されています。そのことは将棋をより深く、また多角的に楽しむということに寄与しているというのはもちろん、将棋の世界そのものをより豊かにしているというふうに思っています」と、近年の将棋界への注目度について触れました。
さらに「“棋は対話なり”という言葉がありますが、将棋は勝負である一方、対局者同士のコミュニケーションでもあるのかなというふうに思っています。今後も出版を通して、将棋のさまざまな魅力を伝えていただけたら本当にうれしいと思います。私自身も盤上で魅力のあるストーリーが表現できるよう努めてまいりたいと思います」と、今後へ意欲を見せました。