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山田洋次監督、映画以上に作りたかった夢

2012年7月1日 22:19
山田洋次監督、映画以上に作りたかった夢

 山田洋次監督(80)、落語家の柳家花緑(40)が1日、都内で「スクリーンで観る高座 シネマ落語『落語研究会 昭和の名人 四』」の公開記念トークショーを行った。

 落語家初の人間国宝となり、去る5月16日に没後10年を迎えた五代目柳家小さんをはじめとした昭和の名人の高座が映画館でよみがえる。
 五代目の孫で最後の弟子でもある花緑と、五代目に新作落語「真二つ」「頓馬の使者」「目玉」を提供した山田監督が、思い出話に花を咲かせた。

 山田監督の映画「男はつらいよ」シリーズを見た小さんから、「あの人に書かせたらいいんじゃないか」と新作落語の台本執筆の依頼があったという。

 もともと落語大好き少年だったという山田監督は、依頼を受けたときの心境を「(19)71年か、72年の頃ですね。ついに夢が果たせるときがきた。これから俺は落語作家になれる!でも、落語作家では飯は食えないから映画監督で飯を食うんだと思った」と本音をぽろり。「落語を作るとき何度も小さん師匠にお会いして、たくさんのことを教えてもらった。高級な飲み屋からかなり下品な飲み屋まで連れて行ってくれましたね」としみじみ振り返った。

 来年1月には監督の最新作「東京家族」が公開される。落語家の林家正蔵(49)が出演している。
 山田監督は「本読みのときに相当ひどくて、うわ〜参ったなと思ったけど、実際の撮影はワンカットずつ撮っていきますからね。しつこく何度も取り直したけど、結果的にあの人にしてよかったですね。善人ぶりが匂うように出ていて」と裏話を披露。すかさず花緑が「善人ぶりですか。善人ではなく?」と突っ込みを入れて、会場の笑いを誘った。