【直撃】中村中、悩み多き14歳にエール
オムニバスインタビューブックの第2弾「14歳 II」(エムオン・エンタテインメント)が先月発売され、本の中にも登場したシンガー・ソングライターの中村中(28)がこのほど、当サイトのインタビューに応じた。
「14歳 II」は、音楽ライターの佐々木美夏さんが、悩み多き“14歳”という年齢に焦点を当て、12組のミュージシャンたちに話を聞いた内容。第2弾では、中村をはじめ、ロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文、氣志團の綾小路翔、怒髪天の増子直純らのインタビューを掲載。ミュージシャンたちのリアルな体験談や、いじめられている子どもたちへのメッセージなどが込められている。
本の中で「死にたい死にたいと思っている子どもだった」と自身を振り返り、家族のこと、学校のこと、セクシャリティのことなどを率直に明かしている中村。「わたしの14歳は世界が狭かったと思う。学校だったり、家だったり、自分が行動できる範囲が自分の生きているすべてだって勘違いしていた。それに気づいたのは今ですけど、その狭い世界で生きづらいなと思っていました」と当時を語る。
ギターを持ち、路上ライブを始めたのが14歳の終わり。音楽という打ち込めるものを見つけたことで、目の前にあるさまざまな解けない問題から、目を背けることができたという。
「14歳で人生設計とか未来予想図を作っても、かなうか、かなわないかは結局、未来の自分しか知らないこと。臆病になろうとすればいくらでも臆病になれるけど、楽観的に、大胆になろうと思えば大胆になれると今は思います」と自らの経験から、言葉をつむぐ。
悩み多き現代の14歳に向けてのアドバイスを求められると、「自分の好きなことを早く見つけて没頭することですね。好きなものが分からないという人も多いと思うけれど、私は音楽のほかにも好きかどうかも分からないけど没頭したものがたくさんあるんです。没頭していれば忙しくなるから、『なんで自分が生きているんだろう』なんて思う暇がなくなるから」。
2006年「汚れた下着」でデビューしてから丸7年が過ぎ、今年6月に8年目に突入した。そんな中村の“旬”を届ける「七転び八起き」と題したスペシャルライブを、2014年1月24日、25日に東京・日本橋三井ホールで行う。
タイトルに込めた思いを、「上手くいかなくてつまずいて転んでしまうこともあるけど、転んだままだと無様(ぶざま)だし、どうにか立ち上がっていくのが人間だと思う。わたしも常に前を向いていたいので、そういう自分へなのか、周りへなのか、ひょっとしたら今の日本へのエールにもなりそうな名前です」。
新バンド編成で新曲をいち早く披露するほか、その日のライブの実況録音をmp3音源で販売するなど、新しい試みも。「新しい刺激でわたしもどんなふうに変わるのか、皆さんに見てもらいたいです」と期待感を伝えた。