勘三郎丈ゆかりの浅草、記念碑と像“初日”
歌舞伎俳優の中村勘九郎(33)、七之助(31)が10日、東京・隅田公園に建てられた「平成中村座発祥の地記念碑」と、浅草公会堂前にリニューアルして設置された「鼠小僧」像の除幕式に出席した。
同記念碑は、2人の父で2012年12月に亡くなった歌舞伎俳優の中村勘三郎さんをしのび、「平成中村座」の芝居小屋があった隅田公園に建立。地元住民らに建立の寄付を募ったところ、1195人から1130万円が集まったという。
除幕した勘九郎は「記念碑が建ったということ、うれしくもあり『何だかなぁ…』という感じです。なぜなら(父が)生きていたら建ってないわけですから」と複雑な胸中を明かしつつ、「『平成中村座』は父の夢でした。建ったときの顔を僕は一生忘れません。喜びと覚悟の顔をしていました。今度は僕たちの子ども、孫を連れてきて『平成中村座』がここに建ったんだよ、ということを教えたいと思います」と万感を込め、瞳を潤ませあいさつした。
浅草公会堂向かいの着物店「今昔きもの 胡蝶」の屋根にあった「鼠小僧」の像を、勘三郎さんの顔に作り直した新たな像もお披露目された。
勘三郎さんが出演した「野田版 鼠小僧」(野田秀樹氏演出)のワンシーンをイメージしたもので、除幕式には野田さんも立ち会った。
勘九郎は「びっくりしました!(父に)似ていますよ」と感激。浅草寺の方向を向いていた像の顔が、浅草公会堂を向くようにリニューアルされた。
七之助も「浅草公会堂は、若手歌舞伎役者の登竜門ですからね。これから出る若手に『父が見ているからしっかりね』と言える。いい刺激になります」とほほ笑んだ。