×

【告別式】まな弟子・藤原竜也、弔辞で号泣

2016年5月16日 17:49
【告別式】まな弟子・藤原竜也、弔辞で号泣

 肺炎による多臓器不全で12日に亡くなった演出家の蜷川幸雄さん(享年80)の告別式が16日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれた。

 会場には蜷川さんが演出した舞台で使用した楽曲が流され、1344人が参列した。
 弔辞は俳優の平幹二朗(82)、女優の大竹しのぶ(58)、俳優の吉田鋼太郎(57)、小栗旬(33)、藤原竜也(34)の順番で5人が読み上げた。

 大竹は「本当にすさまじいエネルギーと信念で最後まで走り続けられました。こうしている今も私は蜷川さんに出会えた喜びと、そして感謝の言葉しか浮かんできません。けいこ場に響き渡るあの怒鳴り声、ほかでは決して味わうことができないあの心地よい緊張感、いい芝居をしたときに見せてくださるあの最高の笑顔、それらはこれからの私の演劇人生の中で色あせることなく輝き続けることでしょう」と、しみじみ。
 最後まで演出家として現役を貫いた姿勢をたたえ、「蜷川さん、けいこ場でお待ちしています。いつも、いつの日も。本当にありがとうございました」と呼びかけた。

 1997年に蜷川氏が演出を務めた舞台「身毒丸」に当時15歳で主役に抜てきされた藤原は「『アジアの小さな島国だ、小さな俳優にはなるな、もっと苦しめ、泥水に顔を突っ込んで、もがいて苦しんで本当にどうしようもなくなった時に手を挙げろ。その手を必ずオレが引っ張ってやるから』と、蜷川さんそう言っていましたよ」と回想。
 「蜷川さん、悔しいでしょ。悔しくて泣けてくるでしょ。僕らも同じですよ。もっと一緒にいたかったし、仕事がしたかったです」と涙声で思いのたけをぶつけ、「1997年。蜷川さん、あなたは僕を産みました。くしくも(通夜が営まれた)きのうは僕の誕生日でした。19年間、苦しくも…まあ、ほぼ憎しみでしかないんですけど、蜷川さんに対しては。本当に最高の演劇人生をありがとうございました、蜷川さん。それじゃあ、また」と声を振り絞った。