錦織、つかさん舞台を演出「互いに学んだ」
少年隊の錦織一清(51)が演出を務める故つかこうへいさんの舞台「初級革命講座 飛龍伝」が7日、東京・王子の北とぴあ つつじホールで初日を迎えた。
1999年につかさんの代表作舞台「蒲田行進曲」の主役に錦織が抜てきされたのがきっかけで師弟関係となり、06年にはつかさんが「つかこうへいという演出家の2代目を継がせるとしたら錦織だ」と発言するまでに信頼が厚くなっていたという。
元北区つかこうへい劇団の有志によって再結成された劇団「★☆北区AKT STAGE」からオファーを受け、錦織が半年間に及ぶ長期ワークショップを行い、本作品が実現した。
開演前に、公開けいこが行われた。
錦織は「けいこ場で見たときもハードな作品だと思ったけど、さらにハードな作品に仕上がっている。膨大なせりふの中で、節々につかさんがおもしろい言葉を入れているのがものすごくおもしろい」と仕上がりに納得の笑顔を見せた。
出演者の劇団代表の逸見輝羊(36)も錦織の演出を「つかさんが亡くなってから5年間、必死にやってきたんですけど、それをちゃんと引き上げてくれる演出家であり先輩。ぼくたちにとっては師に代わる方になると思う」としみじみ。
つかさんと錦織の演出の違いについて問われると「自分がいやらしい気持ちでやったりするとき(つかさんに)すぐ見透かされていたんです。それは(錦織は)つかさんと同じ目を持っていらっしゃる。なので通しけいこのときは緊張してやっていました」と照れ笑いを浮かべた。
錦織も「僕が何かを教えるというより、逸見くんはつかさんの劇団にも長くいらっしゃるので。僕もこれからつかさんのお芝居をやっていく上で、互いに“学んだ感”がすごくあった。充実感に満ちたいい時間を過ごさせていただいた」と語った。
今後の演出家としての目標を問われると「この作品は3人しか出ていないので、次はもう少し団体戦の作品に挑戦したい」と意気込み。報道陣に「『蒲田行進曲』の演出に挑戦しては?」と尋ねられると「俳優・錦織が何というか…複雑な気持ちです」と笑いを誘った。
「初級革命〜」は、舞台「あゝ同期の桜」と同時上演。10日まで。