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海老一染之助さん告別式「芸一筋そのもの」

2017年12月11日 16:00
海老一染之助さん告別式「芸一筋そのもの」

 6日に肺炎のため83歳で死去した曲芸師の海老一染之助さんの葬儀・告別式が11日、東京・中野区の東光寺で営まれ、タレントの松村邦洋(50)、落語協会会長の柳亭市馬(55)ら約60人が最後の別れを惜しんだ。

 妻の村井秀子さん(81)は喪主あいさつで、「主人の人生は芸一筋そのものでございました。お客さんに喜んでもらうためにやっていました」と、あらためて染之助さんの芸に対する姿勢を報告。「時にはすさまじさを感じましたが、家族にはやさしかった」と、しみじみ語った。
 晩年、自宅で転倒して以降、リハビリや入退院を繰り返したそうで、「当初は芸ができずに『悔しい』『悔しい』と言っていましたが、いつの間にかそう言うこともなくなり、穏やかになっていきました」と回想。「寄り添って来られたことが、私にとって最高の幸せでした」と稀代の芸人人生を傍らで支えた喜びを語った。

 斎場には、染之助さんらが三味線、笛、歌を担当した寄席囃子(よせばやし)が流された。
 遺族はその思いを文書で、「弔辞にはふさわしくない、にぎやかなお囃子ではありますが、遺族にとりましては生前故人が盛んに練習を重ねていた大変思い出深い楽曲でありますとともに、ご参列の皆様にも江戸情緒を感じていただき、伝統芸能に生きた故人をしのんでいただければとの願いを込めました」と明かした。

 棺(ひつぎ)には、故人の芸を支えた土瓶、バチ、和傘、まりなどが納められた。