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塚本晋也監督 ベネチア国際映画祭で日本人監督初の快挙 『ほかげ』NETPAC賞受賞

2023年9月9日 22:10
塚本晋也監督 ベネチア国際映画祭で日本人監督初の快挙 『ほかげ』NETPAC賞受賞
第80回ベネチア国際映画祭でNETPAC賞を受賞した塚本晋也監督
塚本晋也監督(63)の最新作『ほかげ』(11月25日公開予定)が、第80回ベネチア国際映画祭でNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞したことが、現地時間8日に発表されました。

塚本監督にとって5年ぶり9度目となるベネチア国際映画祭。最新作『ほかげ』は、終戦直後、生き延びた人々が抱える痛みと闇を真摯(しんし)に描いた物語で、新鮮で革新的な作品で構成されるオリゾンティ・コンペティション部門に出品。現地時間5日に行われたワールドプレミアでは、約8分間のスタンディングオベーションが巻き起こりました。

今回、塚本監督が受賞したNETPAC賞は、アジア各国の良質な作品や優秀な若き映画製作者を世界に広めるために設立された国際団体『NETPAC』の審査員により選ばれる賞。日本人監督の受賞は今回が初めてのこととなります。

NETPAC賞の審査員長を務めた、ザキール・ホセイン・ラジュさんは「第80回ベネチア国際映画祭にて、一番感動した映画として『ほかげ』を選出いたしました。ただの映画としてではなく、戦後の映画として人と人の関係が変わっていく様子などを映画的に、閉所な空間で衣装やセット、メイクなどでみせていく。あまりこのような映画は観たことがなかった」とコメントしました。

また、塚本監督は今回の受賞について「生まれたばかりで、まだどんな反応かわからないこの映画に対して、最初の評価みたいなものをいただけてホッとしました。一番にスタッフに伝えたいです」と受賞の喜びを語りました。