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付き人が語る昭和の歌姫・美空ひばりさん1

2019年6月14日 0:48
付き人が語る昭和の歌姫・美空ひばりさん1

昭和を代表する歌手の故美空ひばりさんの付き人を務めた関口範子さん(79)が、著書「美空ひばり恋し お嬢さんと私」(主婦と生活社)を出版。昭和の歌姫の素顔を知る関口さんがこのほど、日本テレビの取材に応じた。この模様を3日連続で配信する。

ひばりさんの付き人になったのは関口さんが21歳の時。もともとひばりさんのファンで、ひばりさんの母である加藤喜美枝さんにスカウトされたことがきっかけだった。
大ファンだったひばりさんの付き人として働くことになり、「(ひばりさんは)まぶしくて。これは現実かなって思うくらい夢見心地でした」と関口さん。著書では、付き人となった当初、映画撮影に同行し、ひばりさんが殺陣師から教えられた立ち回りを1度見ただけで即座に覚えたことや、顔から汗をかかないことなど、間近で見た“女優・美空ひばり”についても記されている。

もちろん、“歌手・美空ひばり”にも驚かされることばかり。
誰も気づかないレコードのノイズをひばりさんだけが聴き分けたこともあったそうで、関口さんは「お嬢さんの耳はすごかったですね。家の2階が(ひばりさんの)寝室なんですが、下(=1階)でちょっとテーブルを動かしたりすると、それが(2階にいる)ひばりさんに分かっちゃう」と話す。

プロ意識の高さも相当なもの。
体調が悪い日であっても、それをステージで感じさせることはなく、関口さんは「ステージに立つと本当に切り替わります。スイッチを入れたんじゃないかって思うくらい変わります。『大丈夫かな?』って思っているんですけど、舞台を見てしまうと『あ、もう治ったんだ』って(思えてしまうから)、いつも騙(だま)されていました」と回想した。

関口さんの前では女性らしい一面を見せることもあったそうで、「翌日のお出かけのスケジュールが決まった時は、お洋服を選んだり、アクセサリーを選んだり、『これがいいかしら?』『あれがいいかしら?』って。そういうところを見ると、“お嬢さん”ではなく“お嬢ちゃん”って感じでした」と懐かしそうに振り返った。(2に続く)