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倍賞千恵子、渥美さんとの思い出語る

2019年8月27日 22:33
倍賞千恵子、渥美さんとの思い出語る

山田洋次監督(87)、女優の倍賞千恵子(78)、俳優の佐藤蛾次郎(75)が27日、都内で行われた「祝!50周年 寅さんファン感謝祭」と題した上映イベントに登壇した。

1969年8月27日に映画「男はつらいよ」シリーズの1作目が劇場公開されてから、ちょうど50年の節目のこの日、第1作の4Kデジタル修正版が上映された。

主人公・車寅次郎(渥美清さん)の妹・さくらを演じた倍賞は、渥美さんとの共演を振り返り、「一番学んだのは、相手の立場に立ってものを考えることが、どんなに大事かということ」と明かし、「私が悩みごとがあったりすると、『おい、めし食いに行くか』と誘ってくれて、ステーキのおいしいの食べさせてくれて。帰りには、なんか買ってくれるお兄ちゃん。寂しかったり、心を病んでいたりするのを見抜いて、その人を幸せな気分にしてくれる。人間として一番大事なことを学んだ」としみじみ語った。

シリーズ50作目となる新作「男はつらいよ お帰り 寅さん」が12月27日に公開される。新撮された登場人物たちの今を描く映像と、デジタル4Kで修復されてよみがえる寅さんのシリーズ映像を紡ぎ合わせた作品。

山田監督は新作について「今の倍賞さんを映して、50年前(の倍賞さん)をぱっと映すと意外と驚かないのね、わりと自然に思える。この人にはこういう人生があったんだなって。俳優の皆さんたちのある意味、ドキュメンタリーを撮っているようなそういう不思議な感覚があって、その中でただひとつ、渥美さんだけが年をとらない。まるで幻影のよう。だからあらためて渥美清という人の独特の誰も持っていない魅力を感じて、そういう不思議な映画ができあがったな」と語った。