水川あさみ「役者の社会的な発言はタブー感あるけど」女性の働き方について発信する理由
23日からスタートした東京国際映画祭には、国内や海外から豪華俳優陣が参加しました。その公式プログラムとして行われたのが、ケリング『ウーマン・イン・モーション』です。このプログラムは、今年で3回目を迎えた、映画界の女性を取り巻く環境や課題について語るイベントで、水川さんや韓国の俳優ペ・ドゥナさんらが参加しました。
イベントで水川さんは「国によってもやっぱり全然変わってくるんだなっていうこともすごく感じますし、年代によっても変わってくるんだなっていうことをすごく感じます」と語りました。
■水川あさみが見る“今の映画界”
水川さんは、女性が働く現場として今の映画界をどう見ているのでしょうか?
水川:撮影の時間と休息の時間のバランスだったりとか、根本的なところの地盤が、やっぱりまだまだちゃんと良くなっていないなと感じるところは多いですし、特に結婚して、女性というのは家庭のこともそうだし、子供がいる方がなおさらそうだと思うし。そこに時間を使えなくなってくる、その撮影方法は、やっぱり考えなきゃいけないのかなって。
■「変化していく恐れを持つ人が多い」撮影現場で感じた問題点
1997年の俳優デビュー以降、25年以上のキャリアを持つ水川さん。近年には独立し、短編映画の監督にも挑戦するなど、活躍の場を広げています。こうした俳優以外の視点を持つようになったことで気づいたことがあるといいます。
水川:ネガティブじゃない面で変わっていってるなって感じるのは、女性のスタッフが本当に増えているっていうことも1つあげられるし、監督だったり、照明のチーフだったり。そのチーフを担う人たちが女性である現場も最近はすごく多いんですよね。撮影の現場に携わることになったときと比べると明らかにそれは違う
中島C:そうやって(現場に女性が)増えていくと、もうちょっと働きやすいためにこういうことを変わってくれたらいいのにねと女性の声がいま上がったり?
水川:上がってきそうなものなんですけどね。そこがすごくうまくいってないところの、1つの問題点なんだなっていうことを今日改めて知ったというか。変化していくことの恐れを持つ人の方がすごく多い。
■「役者が社会的な発言をするのはタブー感があるけど…」未来の映画界への思い
相次いだハラスメントの問題などを受け、去年、是枝裕和監督たちが改革のために立ち上がるなど、少しずつ変わり始めた映画界。こうした今の動きをどう感じているのでしょうか?
水川:トークショーに今回参加させてもらうことや、こうやってインタビューを受けさせてもらっていることとか、なかなか役者が社会的なことを発言するってどうしてもタブー感があったりしますけど。でもそういうことを恐れていても。誤解されないように、ちゃんと自分の言葉で伝えていくことが意味のあることになっていってほしい。これからの映画を作っていく1人としては課題にはなりました。
(10月27日放送『news zero』より)