水川あさみ「バランスがうまく取れないことの方が多い」 映画界での女性を取り巻く環境を明かす
■映画界における女性をとりまく環境「バランスがうまく取れないことの方が多い」
水川さんは、映画界における女性をとりまく環境について「わかりやすいことで言うと、女性のスタッフが増えてきたなということは感じます。技術スタッフなど力を使うようなスタッフにおいても女性のスタッフがすごく増えたなとか、撮影監督だったりチーフといわれる人たちにも、女性の方を目にすることが増えたなという印象がすごくあります」と変化を感じていると明かしました。一方、「まだまだ女性が年齢を重ねていって、結婚をして、子供を産んだり家庭を持つことと、仕事をすることのバランスっていうのが、業界においてはなかなかバランスがうまく取れないことの方が多いなと感じることも私自身正直あります」と明かしました。
また、日本が手がける映画では、1か月ほどで撮影が終わったことに驚いたと明かすペ・ドゥナさん。韓国では、一番短い撮影で4か月、さらに10か月かかった撮影もあったといい「本当に過酷でした。2時間3時間しか寝られない日がたくさんありました。台本が5分前にあがってくることもありました」と振り返りつつ「私がデビューした25年前と今を比較すると、女性が働く環境は本当に良くなりました。初めて女性監督と仕事をしたのが2000年代序盤で、当時は女性監督が本当に少なかった。現場には女性スタッフはいますが、最年少だとみんなにかわいがられるんですが、監督になると摩擦が生じる。男性監督だと生じなかった葛藤が女性だとなんで感じるんだろうと不思議でしたが、今は感じることがなくなりました」と明かしました。
■映画界を志す女性たちへメッセージ
イベントの最後に、映画界を志す女性たちへメッセージを求められた水川さんは「私の話になってしまうんですが、プロダクションに所属していたのをやめて独立したっていうのが、ちょうど6年くらい前になるんですよね。それまでは私は割とテレビドラマの仕事がすごく多くて、だけど映画にずっと関わりたい、舞台もやりたいっていう自分のやりたいことっていうものがすごく明確にある中で、プロダクションにいるのはちょっと違うなと思って独立したんです」と独立した経緯を明かしました。
さらに、「その頃の業界の動きっていうのは、“出る杭(くい)は打たれる”じゃないけど、煙たがられる存在になった時期もあったんですが、でもやっぱり映画に関わりたいっていうすごく純粋な気持ちで、私なりに一歩ずつ一歩ずつ、やってきたつもりだった。何年か前にたくさん映画で賞をいただくこともできて、そこでやっと“映画の神様が肩を組んでくれた、やったぜ”っていうことがあった。だから本当にすごく当たり前のことだけど、やっぱりその純粋な気持ちで何にどう関わっていくかそれは、女性であっても男性でもそうなんですけど、何が起きても自分の確固たる気持ちは変わらないんだっていう強いポリシーっていうか、マインドを持ち続けるっていうことがすごく大事な気がします」と語りました。