BiSH アイナ・ジ・エンドが語る ステージから見える景色【初公開のインタビュー動画】
■「人間性が悪い人がいない、私は信頼しています」
――BiSHの魅力は?
“個性がバラバラ”です。学校だったら絶対に仲良くなっていない人たちが集まっちゃったみたいな(笑)すみっこで読書している子がいたり、ひとりでギャグを言っている子がいたり、オシャレに興味がある女の子っぽい子がいたり、本当にバラバラ。無駄な話とかをめちゃくちゃして仲良く距離を詰めることはしないんですけど、もっと根底にあるものが共通認識としてある。“BiSHとして頑張ろう”みたいな認識がそれぞれにあるので、ステージに上がれば一体感が勝手に出る気がします。
――アイナさんがBiSHで貢献できている部分は?
振り付けです。80曲くらいやっていて、それぞれ(振りの)付け方が違う。最近だったらメンバーの生活感。楽屋でのしぐさとかを見て、普段から研究するんですよ。それを振りに取り入れたりするのが好きですね。シンプルにモモカン(モモコグミカンパニー)は本が好きで、よく読書をしているんですよ。だから、そのまま持ってきて振り付けの中でも本を読んでいるとか。
――振り付けをする上で考えていることは?
私は中学、高校で教えてきてもらったダンスの先生がいて、その先生に「ステージに立ったら腹をくくりなさい」とずっと言われていて「表現者である以上、誰かに見せ物をしているなら覚悟しなさい」みたいな。だから、なるべくその先生の言葉を胸に入れてやるようにはしています。BiSHはいろんな顔があるので、ひとつこういうものを表現したいっていうのは難しいんですけど、歌詞とか自分たちで書いているので、メンバーの子が書いた歌詞を見て、あっこういうことが表現したいんだ、じゃあこういうダンスにしよう、こういうライブパフォーマンスにしようみたいな、曲によって本当いろんな顔を持っていて。たまに良くない時もあるんですけど、バラバラすぎて。それもちゃんとフォローしあえるようになっていけたらいいなって。
――メンバーとの関係性について
ケンカも何回もしてきたし、お互い傷ついて、傷つけてしまったこともあるし、それで反省したこともあった上で(今の)距離感がいいなって。人間性が悪い人がいないと思います。だから私は信頼しています。
――メンバーの歌声についてどう思いますか?
聴いているとジェットコースターみたいな声の集団だなって思います。キュイーンって上がってドーンって下がって、くるくる回ってみたいな、いろんな人がいるってことなんですけど(笑)
――自分の歌声はどう思いますか?
自分の歌声は本当に嫌いだったので、こうやって歌わせてもらっている環境があって、やっとちょっと好きになれてきた感じの日々です。
――デビュー当時と比べて今、ステージからはどんな景色が見えますか?
最初BiSHは80人キャパのワンマンライブで、自分たちで電話をかけて「チケット当たりましたよ。来てくださいね」って(観客に)電話をしていたんです。そのくらいのキャパだったのが、今は1万何千人とか来てくれる。でも、お客さんの光景は一緒でダンスとかもマネしてくれる人が増えているんですよ。そういう人を見るともっと頑張らないとなとか、いろんな曲を歌いたいなとか、こういう顔も見せたいなとかそういうふうになっていきます。
【BiSH プロフィル】
2015年に結成し、翌年メジャーデビュー。“楽器を持たないパンクバンド”という唯一無二の表現スタイルで、さまざまな音楽ファンを魅了。横浜アリーナや幕張メッセなどでワンマンライブを開催し、ロックフェスにも多数出演。2021年には『NHK紅白歌合戦』への出場を果たしましたが同年、グループを解散することを発表。6月29日の東京ドームでのライブを最後にグループとしての活動に終止符を打ちます。