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まもなく解散 BiSH セントチヒロ・チッチ グループの魅力は「統一性のなさ」

2023年6月23日 22:00
まもなく解散 BiSH セントチヒロ・チッチ グループの魅力は「統一性のなさ」
セントチヒロ・チッチさん
6月29日をもって解散する6人組グループのBiSH。2020年、グループ史上最長最大規模の全国ツアーを終えたメンバーたちのインタビュー映像を初公開します。

グループの魅力やメンバーたちとの関係性、いつもどんな気持ちでステージに立っているのか…当時の考えを振り返ります。2人目はBiSHのリーダー的存在であるセントチヒロ・チッチさん。個性がバラバラなメンバーたちをどのようにまとめているのか明かしていました。

■「統一性のなさが、やっぱりいいところ」

――BiSHの魅力は?

人間としてデコボコなところが一番の魅力かなって思います。6人とも何ひとつかぶるところがなくて、生きてきた中で出会った女の子がたくさんいるんですけど、その中でも一番面白い人たち。5年くらい一緒にいて、日常を生きていても、ライブしていても本当にデコボコ。それが私にとっては魅力のひとつかなって思っています。

例えば誰かが落ち込んでいたりとか、イライラしているときに、全くそれに気付かず元気でいる子とか、うるさい子とかいてそういうのって普通、空気読むじゃないですか。その空気読めない感じが好きなんですよ、普通じゃないから。歌っていて声質が全然違うなとも思うし、私が発言したことに対して必ず共感するわけではなくて、違う意見が出てくるんですね、それがいいことだなって。考え方が全然違う、背もデコボコ。髪の毛もバラバラだし、その統一性のなさがやっぱりいいところ。

――意見が合わないときはメンバー同士でぶつかることも?

もめるということはあまりなくて、こういう人もいるんだってことをBiSHになってから学ぶことが多くて、それはすごい自分にとってプラスだったんですよ。固定観念みたいなのがあったけど、そうじゃなくて、こういう女の子もいて、それが正解かもしれないし、自分が正解かもしれないし、絶対に正解を作らないといけないってわけじゃないだってことに気が付いたので、もめるっていうよりかはお互いの意見を踏まえて、どういう終着点に行くかみたいなことを考えるようにしています。

――チッチさんがBiSHで貢献できている部分は?

私はとび抜けて個性があると思っていないので。ほかのメンバーはかなり個性的だったりとか、破天荒だったりとかいろんな性格の子がいて、その中でまとめる役として私はみんなを引っ張っていく存在でありたいなって思っていて、だから先陣切って歩いて行くタイプになったなって思います。

――ライブでは客席に飛び込むこともありますが、なぜ激しいパフォーマンスができるのか?

ライブ中は今、ここにいる自分と全く別物になるので、その時の感覚と今、考えている感覚が全然違くて、ステージに立ったら何も怖いものが無くなるから何でもできます。お客さんもメンバーもBiSHを作ってくれている人はみんなBiSHに人生をささげて、ありのままぶつかってきてくれるから、自分もそのままぶつかっていきたいなって気持ちになる。ステージに立っている瞬間が私の 生き様だと思っているから、何も怖くなくなる。最初はめちゃくちゃ猫100匹くらいかぶっていて、今考えたら気持ち悪いくらいなんですけど、いつからかそんなのは無くなってどんどん剥いでいって、ありのままの自分になったんですけど、それはみんなが受け入れてくれるってわかったから。

――メンバーの歌声はいかがですか?

面白いです。私は結構まっすぐ歌うんですけど、アイナはハスキーボイスで、声質がすごく魅力的。アユニもどんどん成長して、癖のある耳に残る歌い方。リンリンもあんな見た目で奇抜なのにすごくかわいい声、たまにシャウトして二面性があったりとか。モモコは少年なんですよ。ずっと変わらない自分のままでいる歌声、ハシヤスメは箸休め(笑)。

――性格も歌声もバラバラなのにステージではなぜ一体感を生み出せるのか?

BiSHとして向かう先、例えば大きい目標だったら東京ドームとか紅白に出たいとか、そういうものがちゃんと自分の中にあって、どんなBiSHでありたいっていう意識がこの5年の中でひとつになってきたので、だからどんなにバラバラなメンバーでも、お客さんに届けたい思いとかっていうものは一緒だからひとつになれるのかなって思いますね。

――自分に自信が持てない方々に言葉をかけるとしたら?

私は何度も自分の人生の中で壁にぶつかって。ぶつかった時に2歩下がってまた3歩進めばいいって思っているから、絶対諦めないで進むことを続けていたら、今の自分になりました。怖いと思うんですよね、自分に自信がない時って。いつか笑える日が来るから諦めないでほしいなっていうのは伝え続けていきたい。


【BiSH プロフィル】
2015年に結成し、翌年メジャーデビュー。“楽器を持たないパンクバンド”という唯一無二の表現スタイルで、さまざまな音楽ファンを魅了。横浜アリーナや幕張メッセなどでワンマンライブを開催しロックフェスにも多数出演。2021年には『NHK紅白歌合戦』への出場を果たしましたが翌年、グループを解散することを発表。6月29日の東京ドームでのライブを最後にグループとしての活動に終止符を打ちます。